第2話『レイラ』のヒューバレル

『あ、すいませーん! そこのカッコイイお兄さん! ちょっとインタビューいいかな?』


「え? 俺? 見る目あるねー、お姉さん」


『いやぁ、褒めても何も出ないよ? 雑誌の街角インタビューの欄に載せるためのインタビューなんだけど、時間いいかな?』


「もちろん! じゃあ、そこの喫茶店で話聞くよ。あそこのカップケーキ美味しいって評判でね」


『お! いいね! じゃあ、今回は時間いただいちゃうし私が払うから! 面倒だから、否やは聞かないよー』


「分かった、じゃあ遠慮しないで言葉に甘えるよ」




『──とまぁ、一息ついたところで、簡単に自己紹介してもらってもいいかな?』


「ヒューバレル・S・アスウェント。今は学生で、健全な十七歳男子だよー」


『ほうほう! ……ん? アスウェントって』


「そうそう、そのアスウェントだよ。だからって別に何もないから安心してー。親父は偉いけど俺は別にそうじゃないからー」


『あ、あぁ。そう……なのかな?』


「そうそう。ほら次の質問は?」


『えっと……じゃあ、犬派? 猫派?』


「俺は犬かなー? 猫も好きだけどね! でもあの忠誠心すごくない? 主人を見つけると駆け寄ってきたりとかさ! 番犬兼愛犬が俺の家にもいるけど、可愛いよー」


『ほぉほぉ! 確かに可愛いよね! よし、次の質問ね! 大切な人っている? いるとしたらなんで?』


「俺はいるよー。まずは家族でしょ? 次に友人。後は俺の精霊たちだなー。理由はいっぱいあるけどさ、俺の人生に欠かせない人たちだからっていうのが一番の理由かな?」


『へぇ……。なんか意外』


「え? どこが?」


『いや、意外と情が深いんだなって』


「えー? そうかな?」


『そう見えるよ。じゃあ次の質問ね、金貨が十億枚あるとしたら何する? あ、もしかして……実際にあったりする……?』


「俺は持ってないけど、親父の資産は俺は正確な額は知らないからねー。でも、自分がもってたらかー……。とりあえず必要な物を買うのに使って、後は貯金かな?」


『へー。じゃあ次! 最近楽しいことあった?』


「楽しいことー? なんだろう、学校に新しいが入ってきたことかな? 新しいことは好きだよ」


『転入生か! 恋の予感とかした?』


「ん? いや、今のところ全然」


『なんだよー。じゃあ、悲しかった事ある?』


「……友達が引きこもりになりかけてることかな……。俺もその原因の一端だからさー、なんとかしてあげたいんだけどね」


『そうなんだー……。次の質問ね。目の前に傷ついた子供がいるとして、どうする?』


「すぐに近寄って、抱き上げて傷の確認して泣き止ませるかな? で、事情を聞いてなんとかしてあげたいかな?」


『優しいねー。じゃあ、知らない異性が声をかけてきたらどうする?』


「にこやかに挨拶! それでお茶にでも誘うよ。色々話をしたいね」(なんで近付いたか色々聞き出したいし。害がなさそうだったら放置だけど、何かありそうだったら泳がせておくなー)


『まさに私の状況だね! 好きな食べ物とか飲み物ある?』


「俺はグラタンとか好きだなー。飲み物はコーヒーに砂糖を一つ入れたやつが一番かな」


『おー。確かにグラタンとかいいよねー。コーヒーか……、飲めることは飲めるけど、私はカフェオレの方が好きだな』


「俺もカフェオレとか好きだよ」


『へぇ! じゃあ、最後にこのインタビューを読んでくれた方達に何か一言!』


「何か欲しいものがあればアスウェント商会を是非ともご贔屓にね! ほとんど売ってるよ!」


『はい! ありがとう! これでいい記事ができそう! じゃあお金は置いとくから好きなだけ食べてね!』


「ありがとう、お姉さん。じゃあ、また会えたら」





「──裏はなさそうかな? これだったら、後をつけなくてもいいよ」


「了解、坊ちゃん」


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小説の登場人物にインタビュー! 露草 はつよ @Tresh

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