一緒に胃カメラ飲みに行かない?

ちび

胃カメラします

う~

痛い!

めっちゃ胃がキリキリする

ガスター10もパンシロンキュアも太田胃散も

何にも効かない!


仕方ない…近所の内科に行く

2時間待ってやっと呼ばれた

「先生また胃薬お願いします」

「また痛いの?もうさいい加減胃カメラしなさいよ!」

「胃カメラだけは嫌です死んでも嫌ですぅ」

「今回はもう無理!1ヶ月分は薬出すけど、もう今後出さないからね!その間に胃カメラ考えておいて」

「だって苦しいですよね…」

「全然大丈夫!今は寝てる間に終わるから」

「えっ寝てる間に?おえ~ってならないんですか?」

「そう知らないうちに終わってるから昔と違って全然楽だよ。てか覚えてないしね」


診察を終え

悩む私

寝てる間に終わっちゃうなら大丈夫かなぁ

やってみようかなぁ

とりあえず1ヶ月考えよう


それからはもう色々と調べまくり

最近胃カメラを飲んだ事あるか友達にラインしまくる

A子「この間母飲んだ」

「寝て起きたら終わってたって」

B子「私去年やったよ」

「爆睡www」

「楽勝」

YouTube消化器内科

「はい喉の麻酔をスプレーしたら…おやすみなさい」


やっぱそーなのか

今は楽なんだね

ちょっとやる気になってきた!

バリウムははなっからやる気はさらさら無い

皆がそう言うならよし!やってみよう

あまりの胃痛に覚悟を決めた私

会社の健康診断でバリウムだけは断り続け

約10年間、何百という胃薬を飲み続けてきた私

胃カメラ!のみまーす!


数日後予約しに病院へ

先生と面談後予約日を決める

その時も

「麻酔で眠ったまま終わるんですよね」

念を押す

「そうですよ楽に終わりますよ」

書類をもらい内視鏡室に予約を取りに行く

中はホテルのロビー張りに綺麗でした

受付のお姉さんが

「キャンセルがちょうど出たので3月5日月曜日。3日後に空きがありますが」

えっ!突然3日後…いやまだ心の準備が…

という事でその1週間後の12日月曜日に予約を取りました


その後当日の流れと内視鏡の説明があった

前日夜9時までに食事は済ませてそのあとはお茶かお水のみ

もちろん当日も

「静脈麻酔(鎮静剤)を使いますか?」

「使います使います何なら体重以上に使って頂いてもいいです!」

「じゃあ当日までにこの書類の希望するに◯をつけて下さい」

(鎮静剤は体重によって量が決まる)


鎮静剤の副作用の説明も受ける

※呼吸抑制

呼吸が弱くなる事がある

※逆行性健忘

薬が効いている間の記憶がない

※血圧低下、ショック

まれに死亡例がある

確率は0.00002%…

んー計算できないけど死んだ人がいるのは確かね

まっ手術のときの同意書と同じね

※内視鏡による偶発症

スコープ挿入による粘膜裂傷・穿孔・出血

このような緊急事態が生じた場合

検査担当医が治療に当たります

この責任を持っての所。医師にリスペクトを感じたね

安心安心OKサインすぐします!


さて当日が来ました!

でも朝から胃が痛い…喉も痛い

風邪かも…電話しよう

……

「あのぉ今日胃カメラの予約してる◯◯ですが…胃が痛くて風邪かもしれないんでキャンセルお願いしたいんですけど…」

「◯◯さん、確か胃が痛くて内視鏡検査ご希望なんですよね?だからこそ今日やった方がよろいしかと!」

はい。正論ぶちこんで来ました受付のお姉さん

しかし何だかんだと言い訳をし

19日の月曜日に変更してもらう

電話を切ったあと自己嫌悪…

またしてもびびって当日キャンセル…


そして1週間びびりながら過ごし

またしても当日が

もう2度のドタキャンは出来ず行きました

予約時間は9時

15分前には来るように

ちゃんと行きました!

既に6人患者さんが居ました

手荷物をロッカーに入れ私服で待ってると

「◯◯さ~ん」

遂に呼ばれました~


心臓バクバク!

「は…はぁ~い」

情けない返事をして立ち上がる

そのままベッドがある部屋へ

部屋といってもカーテンで仕切った小部屋がずらりと並んでいる

15部屋位はあるみたい

洋服は着替えずこのままやるようだ

良かった!水色の寝巻きとかに着替えるのかと思った!

それだけで少し気持ちが落ち着く


ベッドのある部屋へ入り

まずは紙コップにはいった胃の泡を消す薬を飲まされる

「飲めるかな?苦手なんですよね…おえ~ってなったらごめんなさい」

看護士さんに一応断りをいれる

「大丈夫ですゆっくりゆっくり飲んで下さい」

優しい言葉

ゴク!少し飲んでみた

美味しい!緊張で喉が渇いてたせいもあるかもしれないけどちょっと甘くてスポーツドリンクみたい

一気に飲みました~

「あら飲めましたね、良かった」

のみ薬ごときで騒いでちょっと恥ずかしかったです


「じゃあ順番が来るまで横になって寝てリラックスしててくださいね」

「あの~寝ている間に終わるんですよね?」

ここでも確認をして安心したい私

するととんでもない台詞が帰ってきた!


「いいえ!殆どの方が処置中は覚えていますよ。何されてるかわかってますよ」

「え!寝てる間に終わるって先生が言ってましたよ皆も言ってましたけど」

「寝てて突然喉に何か入って来たらびっくりして暴れる人もいるんですよ。なのでやってる最中は少しもうろうとしてますが自覚はあります。ただね終わってからが覚えてないんです」

「終ってから?」

「そうです。鎮静剤っていうのは逆行性健忘症が起きて薬が効いていた時の事を忘れてしまうんです。なので皆さん終わったら大したことなかったって思うはずです」


うそ!そんな事効いてない

寝てる間に終わるって言ったじゃない…

それなのに!ここでそんな説明するなんて怖すぎる

いや…同意書に書いてあったような

騙された!みんな楽だったって覚えてないだけだったんだ

やってる最中はやっぱ苦しいんだ!!

やめたい!怖い!


そうこうするうちにベッドのまま処置室に連れていかれる

中には看護士さん2人と先生の3人

話をする間もなく腕に点滴と指に酸素濃度を図る器具を挟まれた

「はい喉に麻酔のスプレーしますね苦いですけど少し飲まないで溜めておいてくださいね」

二回シュッシュされた


うおっ!苦い

よだれが垂れる

「すみませんよだれが…」

「大丈夫ですよちゃんと受け皿ありますからどんどん出して下さい」

話してる途中ゴク。麻酔飲んでしまった

「すみません…麻酔飲んじゃいましたぁ」

「…良いですよ我慢出来なかったら飲んで良いですよ」

呆れてる感じの看護士

苦い…そして口の中ヒリヒリ


「はい!じゃあマウスピース入れるのでお口開けて下さい」

突然入ってきたマウスピース

ぐぇ!1回えずく

予想してたより結構奥まで入ってきた

ここで後悔マックス

やっぱ無理だぁ止めれば良かった


「はいじゃ鎮静剤入りまーす」



目の前が暗くなった

何にも見えない!顔に何か被せたのかな?

「はいスコープ入りますよ」

ぐぇ!おえ!ごほ!

3回位えずいた…気がする

「もう一番苦しい所過ぎましたよ~もう大丈夫ですよ」

背中を撫でられながら神の声がした…気がする

お腹の中でスコープがうごめく

突っつく

痛い!何か痛い!…気がする

「はぁいもう終わりますよ抜きますね~」

…何も感じない

「お疲れ様でしたじゃあ部屋に戻ります」

…いつの間にか個室に戻る

「頑張りましたね!これから一時間寝て休んでて下さいね」


…この間眠ることは出来なかったけど

何か声だけ聞こえていて夢?って感じで終わった

所々しか覚えてない

おえって何回かなったのはかすかに覚えてるけど今考えると大した事はない

なんか笑えてきた楽しくなってきた

これが鎮静剤による逆行性健忘症?


覚えてないのでまたやってもいいよ~ん

ってな感じ

ちょっと嫌だったのは喉の麻酔がまだ効いてるのでヒリヒリビリビリ感があるのみ


なーんだ本当に大した事ないじゃん

(忘れているので)

恐れていた皆様全然大丈夫なので

胃カメラ絶対受けた方がいいです

(覚えていない)


そして検査結果

居ました!ピロリ菌

萎縮性胃炎&食道ヘルニア

胃のひだが無くなり血管が見えていて

いつ癌になってもおかしくないとの事でした

あとは食道が ゆるくなっていて

逆流しやすい


とりあえずピロリ菌除菌中でーす

抗生剤パック1週間飲みます

禁酒です

これで除菌出来れば終わり

1回で除菌できますよーに


10年間拒否し続けた胃カメラですが

本当に楽ですので

考えてる方々いましたら即やりましょう

全然大丈夫です

(覚えていないだけ)


※病院によっては本当に爆睡してしまう所もあります

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一緒に胃カメラ飲みに行かない? ちび @egoist7

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