【ネタバレあり】あとがき

こんにちわ。オオツキです。


「DOOR」を読んでいただいて、ありがとうございます!稚拙なものであったかと思いますが、自分なりに挑戦したものでした。



それはさておき、まずは達海ゆう様!レビューを書いていただいてありがとうございます! 


また、フォロー頂いている緑茶様、外並由歌、応援していただいたクロ様や万里様!ありがとうございます!


手塩をかけた創作物を、海の中に潜む何かに向けて投じることに似たインターネット投稿において、みなさまの応援や励まし、温かく見守っていただけたおかげで何とかモチベーションを切らさずに完結できました。本当にありがとうございます!


書き上げて思ったことは、表現に推敲と工夫がまだまだ必要だなと切に思いましたね。


正直申し上げて、皆さんの作品をすべて読みきれていない状況ですが、時間を見つけて少しずつ拝見させていただき、楽しみながら勉強させて頂ければと思っています。


さて、今回はあとがきです。少し、作品の着想とテーマについて語らせて頂ければ。ネタバレに触れますので、お気にされる方は読み飛ばして頂ければ。








この話を思いついたのは、昨年末に引っ越したときでした。昨夏くらいから種的な構想はありましたが、筆が進んだのが年末といったほうが正確ですね。


越した先のアパートは、昭和後半に建てられたもので、ボロイを通り越してアンティーク感を醸し出している希少物件(なぜかLED照明ですが)。


畳には謎のシミが着いているし、流し台には穴が空いていて、水を流すと床が水浸しになる。風呂はついているけど昭和の映画に出てきそうなバランス釜。トイレに至っては、和式を強引に洋式にという力技。


郵便受けには、前の住民とその前の住民の郵便物も届いてしまうという中野らしさ全開の一室。そこに私はいます。



でも、言い換えれば、30年近くも誰かを見守ってきていた部屋ってことです。玄関のドアは、建てられたときから変わらずそこにいて。自分も含め、先人たちは1日の始まりにドアを開き、1日の終りにドアを閉めてきた。


それは「ドアを出るときは常に新しいことに向かう。また、ドアを開いて入るときは過去になる」ということなのかな。


そして、ドア1枚で簡易的に外界と隔絶された室内で「今日を昨日にし、明日を生むために眠り、今を生きるために目覚めてきたんだな」というのが着想です。


これは16話目カナトの「平たく言うと、室内が子宮で、ドアが産道口」というセリフですね。


そんなこんなで、ドアは住人のすべてを見ているというわけです。過去と未来の水先人とも言えるかも。


白河誠は真帆と共に歩み、その道中で奏が生まれた。他人同士だった3人は、アパートの一室という子宮の中で溶け合い、家族というひとつの生命体になり、集から個へと進化していったのです。


誠は死んだときに、部屋に帰りたかった。そりゃそうでしょう。すでに誠はひとりの命ではなく、白河家という名の概念的生命体の一部だったのですから。部屋に帰れば、また溶け合って、苦しみから逃れられる。


いや、逃れたいって気持ちが執着に変わり、それが霊的な何かに変わっても無意識的に求め続けていた。そして、誠が亡くなったことを嘆く真帆や、父親を求める奏での思いがカナトを生み、その影響で部屋という名の子宮が生まれたのです。


そこに、消失しかけている誠が引き寄せられ、自分が死んだ後に残された家族の現状を知ることで再生と復讐を決意し、ドアを出ていくという話です。


う~ん…。我ながらめんどくさい設定w


そんな中、真帆は誠を失った後、悲しみを昇華する暇もなくシングルマザーとして昼夜を問わず働いて奏を養う。


国家権力すらも利用できる一家に生まれた高須は、とんでもない変態性と猟奇的一面を持つエリート医師。そんな彼は、事故で轢き殺した誠の妻に横恋慕をし、長い間口説き続ける。


父の顔も知らずに育った奏は、幼い頃から自分をかわいがってくれていた高須に父親の影を見て育つ。年頃になったら高須を男性として見てしまい、父を救えなかった男と知りながらも関係をもって子を身ごもる。


このままじゃ、救いがないですね。でも、不幸な人は、必ずハッピーエンドになるというのが僕の持論。いつか、必ず高須以外は幸せになるのです。


まぁ、そのいつかは僕も分からないですが。とりあえず、何でも屋のふたりが何とかしてくれるかもしれないと願いつつ、あとがきを締めくくりましょう。


改めて、完読ありがとうございました!

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DOOR 波図さとし @pazzotusuki

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