第5話 ジグザグに近づいて足に闇属性を付け、ここで思いっきりキィィーーーーック!!!!!!
「これも使えそうだな… これもきっと便利だ。これは何?」
ルーザーは、大木の下の木陰に腰をかけてポーチの中を漁っていた。中身はポーチ自体ほど凄い物では無いが、実用的な物が沢山入っていた。ある程度の食料から、ライターなどの冒険に必須の物、そしてこの世界の通貨であろう少し大きめの銀貨まで入っていた。銀貨には500と書いてある。それが20枚あるのだから、10000単位。1がどの位あるかは知らないが、他の物も実用的なためそこそこの金額だろう。――これだけ物をくれるんだ。エクスは相当な理由があって僕をここに来させようとしたに違い無い。
入っていた物の中に、一つよく分からない物があった。手のひらに収まる程度のサイズの直方体。ボタンがあり、先にはレンズが付いている。
「何これ…」
顔をしかめつつ、ボタンを押して見ると、レンズの先から光が出た。辺りを照らして見るが、攻撃ができる訳でも無さそうだ。きっと戦闘が多そうなこの世界で役立つ物だろう。もしやと思い、光を自分に向けてみる。すると、「謎の直方体」の上に立体的なウィンドウが出てきた。そのウィンドウにはこう書かれていた。
名前…ルーザー Lv.16 属性…無
HP…122/128 MP…45/45
力C+ 守C 速C 魔D+
スキル 気配察知、ウェポンマスター
危険度 100.0%
予想的中。やはり、人のステータスを見る事ができる機械らしい。レベルが16で、スキルは… 全部合っている。ところで、一番下の危険度って何だろう。もし…
あれっと思いステータスを二度見する。危険度が100%になっている事に気付き、かなり戸惑う。いや、そもそも危険度とは…?全ての生き物から見た危険度なのか、光を出した人にとっての危険度なのか。後者なら…何とか納得できる。自分自身ならどうにでもできてしまうから…要するに、自分で死のうと思えば自分自身をすぐに殺せるから。そんなこじつけの理由で、危険度100%はおかしく無いと納得してしまった。
冷や汗をかきつつ、自分自身で納得するために何度も首を縦に振る。周りは誰もいないため、少しばかり違和感のある光景となる。今はそれよりも、これからどうするかだ。と言っても、もう答えは決まっている。まずは僕と同じくこの世界に飛ばされたアテネとチェレンを探そう。冒険に仲間は必要だし、あの二人がどうしているかも気になってしまう。
…顔を上げると、緑色のゼリー状の生き物がこちらに向かって来ているのに気づいた。すかさず、しまわずに持っていたステータス見るアレをそいつに向けて、光をおもむろに当てた。ステータスが表示される。
グリーンスライム Lv.14 属性…草、毒
HP…42/42 MP…12/12
力D 守C 速D 魔C-
スキル ドロドロ毒、ベトベト毒
危険度 32.9%
ん。最初の敵にしてはそこそこ強そうだ。能力こそ高くないが、スキルのドロドロとベトベトが何気に怖い。普通に考えれば勝てるが、今は武器は持っていない。ポーチの中に武器だけ入っていなかったのだ。何でよりによって武器…とは思ったが、何か理由があるに違い無い…
と、そんな事を考えている内にもスライムは近づいてくる。戦闘中の考え事は命取りだ。すると、スライムは口から体の緑より濃い緑をした毒を吐き出した。それはこちらに飛んできた。避けると、その毒が当たった綺麗な芝が少しずつ溶けている。これが「ドロドロ毒」か。すかさずスライムは次の毒を出してくる。スレスレで避けると、先ほどの毒を踏んでしまった。靴の底が少し溶けたが、毒はまだ飛んでくる。同じように横に避けようとすると、毒を踏んだ右足がネバネバして中々地面から離れない。これが「ネバネバ毒」…
何とか足を離すと、今度は毒を出してこない。もしかして、MPが切れた?光を当てると、確かにMPは0/12と表示されている。今がチャンスだ。まだ攻撃があるかもしれないので、ジグザグに動いてスライムに近づく。
「
足に闇属性を付け、ここで思いっきりキィィーーーーック!!!!!!
スライムはかなり吹っ飛んでいった。先ほどと同じ動きで近づき、そしてとどめを刺す。
「
足に闇属性を付け、ここで思いっきりキィィーーーーック!!!!!!
スライムは黒い光の粒となって、消えていった。
24剣士 ~「究極」がイマイチ究極じゃなかった~ ぼくがかんがえたさいきょうのかんがえかた @gearbuutyan
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