その卵を手に入れたものは願いを叶えると言われ反面、見ると不幸を振りまく巨大な鳥の伝承は、各地に残されていた。
かつて、その巨大な鳥を見たことで、村の水が干上がり死に瀕した村に住むゴナンはリカルドと出会ったことで思いがけない人生を歩みます。
その中で、様々な人と出会いパーティを組んで鳥を捜して旅をするのですが、そのメンバーも一癖も二癖もあるくせ者揃い。皆が揃っていれば問題なく進む問題も、一人でも欠ければ途端にバランスが崩れてしまう。
一緒にいることで、誰かが誰かの痛みを癒やし、誰かのために強くなろうとする物語。
特にゴナンは自分には何の力も無く役に立たないことから無茶なことをしがちです。ですが、辛い村での生活は他の誰にもない強さを持ち、その純粋さは人々を引きつけます。
まだ第三章までしか読んでいませんが、是非この先の成長していくゴナンや仲間たちの道中を追い掛けてみて下さい。
と、落ち着いたファンタジーをお探しの方には是非読んで頂きたい作品です。
北の村でとても貧しく厳しい暮らしを送る十五歳の少年、ゴナンは、鳥を追う旅人リカルドと出会う。
村で一生を終えるかもしれなかったゴナンの人生がゆっくりと変わっていく様子を見守っている時間がとても心地よくて、大好きな作品です。
ゴナンが直面する現実の厳しさや悲しい出来事も描かれていますが、それでも物語の根底は温かい思いやりと優しさに満ちています。
リカルドさんとの交流や、旅の間に出会う人々との交流で、少しずつゴナンの世界が広がっていく様子を、彼が成長する様子を、そっとそばで見守らせてもらえるような、温かな読みごこちの素敵なファンタジー作品です。