ヴィオラの青い雫、混沌という紅い流れ……黄衣から伸ばされる邪神の誘い

闇を色チョークで描きだすのはきわめて難しい
しかし作者は混沌を色彩で表すことを決意したらしい、それも共感覚のだ!

黒くぬれぬれとした桜樹

光さえも墜ちてゆく

輝く鉤爪に鷲掴みされたように……

真鍮の腕は聾唖のヴィオラ奏きをつかむと
とんでもないものから突き抜いてのける

二匹の白い蛇のように絡み合う少女たちと
地面から花びらを舐めとる女の赤い舌は何やらとても扇情的(エロティック)

そして、コバルトブルー……

作者の宇宙の音は夢幻という色に染まっているのかもしれない

えーりっひの音楽のような、それをつかの間に心にうつせたのがとても良かった