眠れぬシャイン
藍木祐
第1話 はじめにプロローグ
耳の少し下までで切り揃えられた髪。
横顔にうっとりしてしまうような筋のとおった鼻。
いつも遠くの何かを見つめているようで物悲しささえをも感じさせる伏せ目がちな瞳。
はっきりとした輪郭。
そして何よりも、触れたら壊れてしまいそうな、幻なのかもしれないと疑いたくなるような雰囲気。
そう、私は彼女が好きだった。
もしかしたら、彼女の一部になろうとしていたのかもしれない。
彼女は私の先輩で、よく仕事ができた。
彼女は会社が無理を言っても、文句も無く受け止めた。
彼女は人より仕事ができるのに、人より努力をしていた。
彼女は格好よくて、完全なる憧れの的だった。
彼女はみんなから信頼されて、穏やかな笑顔を絶やすことはなかった。
彼女は7階から落ちて、ぐしゃぐしゃになった。
彼女は一昨年、死んだ。
眠れぬシャイン 藍木祐 @yu_aigi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。眠れぬシャインの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます