第3話

「ねぇ、ねぇ、あの真島先生だっけ?

配布されたパンフレットには載ってなかったよね?載ってたらすごいインパクトだからさ

忘れないってばーー」

佐々木奈々恵はそう言いながら、コーラの

ブルトップを引き上げ、ぐいっと一口

飲んだ。

その横顔が可愛くて、つい見とれてしまった。

「可愛いすぎるんですけど」

つい、口からそう呟いていた。


奈々恵は専門学校の地元出身で、明らかに、田舎から出てきた私より垢抜けていた。

茶色に染めた髪は毛先を縦ロールで

綺麗に巻いており、

爪はラインストーンがキラキラ輝いていた。

はっきりとした二重まぶたに、マスカラだろうか?まつげが恐ろしく長く感じた。

「アイドルってこんな感じなんだろうな、」

黒髪のロングヘアを一つ結びにして、

ピンクの口紅とチークをつけただけの

自分は、今の時点で圧倒的に奈々恵に見劣りしてるのを感じた。

「でもさー、いくらなんでも、幽霊と間違えてるなんて、凄すぎて、笑っちゃうし、

舞美ちゃんって面白すぎーあははは」

あんなに驚かなければ、舞美も菜々恵に話かける事さえ無かっただろう。

それほど、菜々美は今まで、舞美の周りには

居ないタイプの女の子であったのだ。








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スカートの裾を引っ張るヤカラ達 @maririn123

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