尊重し、許し合う。それは関係性における最上の合理、遍く望まれた祈り。

愛の話だ、とまず思った。無形の赦し、許容、愛。彼らの間にある喜びとは、互いの幸福を願い、それが果たされることなのだと強く感じさせてくる。否、”わからせてくる”。わかってしまう。この文章で示されるそれとは地上において衒いなく麗しく、大いに尊ばれる形の愛であると言えよう。
もはや、あれこれ言うのは野暮というものかもしれない。とにかく読んでほしい。

惜しまれるのは、まばゆい彼らのやり取りを『読み終わってしまう』と言うことだろうか。まっすぐな視線、直截的な好意、澄み切ったいつくしみ。あまりのまばゆさに目を閉じるのが惜しくなるほどだ。
二度目になるが、とにかく読んでほしい。そして同じように、彼らの輝きに目をくらませてほしい。