第4話 はじまり

 綺凛きりんさんは、理事長りじちょうつよさが、校区内こうくない第二位だいにいと言っていた。

 でも、そんな理事長りじちょううえ第一位だいいちい称号しょうごうつものがになった。

理事長りじちょうつよさって、あたえられた戒禁かいごんによるものってことだよね?」

「そうよ…」

「その戒禁かいごんってなんなの?」

 おれは、もっと理事長りじちょうのことをるべきだとおもった。

文姫あやめ戒禁かいごんは……瓦解がかい理事長りじちょう個人こじんつようえに、理事長りじちょうまえでは、集団戦しゅうだんせん禁物きんもつなのよ」

 瓦解がかい、それはグループや集団しゅうだん組織そしき破壊はかいこわすこと。

 探求たんきゅうすればするほど、戒禁かいごん進化しんかする。

 その理事長りじちょうが、探求たんきゅうした結果けっか校区内こうくない第二位だいにいなのだろうか。

 だとするならば、その第一位だいいちいだれなのだろうか。

綺凛きりんさん、理事長りじちょうよりつよい、第一位だいいちいって?」

 おれは、この学園がくえんのことはおろか、天使の指輪エンジェルリングのこともらなかった。

 だから、もっとるべきとおもった。

 質問しつもんしてばかりいたおれは、そんなはなし夢中むちゅうになり、目的地もくてきちについたらしい。

「そのはなしは、今度こんどゆっくりするわ。とりあえずいたわ」

 そううと、綺凛きりんさんはパスポートをかざして、とびらひらいた。

「あ、あの、いまからなにを?」

 純粋じゅんすい疑問ぎもんかんじた。

いまから適性てきせい検査けんさおこない、あなたにあった武器ぶきえらぶの」

 そういえば、ここの生徒せいとがやたらと武器ぶきっていたのはたたかうためだったといまはじめてる。

 それにしても、武器ぶきすべ学園がくえん所有物しょゆうぶつということにおどろきだ。

 おれは、綺凛きりんさんについていき、専用せんようエリアにはいった。

 そこには、武器ぶき何万なんまん

 何十万なんじゅうまんにもおよ

 ぶ、いろんな種類しゅるい武器ぶきならんでいる。

「さて、冬馬とうまくん、そこのモニターに魔導書グリモアールをかざしてみて」

 われるがままにっていた魔導書グリモアールをかざした。

 すると、一面いちめんひかりび、モニターにステータスとばれるものが、表示ひょうじされた。

 そして、それを綺凛きりんさんが、画面がめん操作そうさすると、おれまえ種類しゅるい武器ぶきあらわ

 れた。

「このなかからひとつえらんで」

 そうわれてもあつかったことはないし、武器ぶきっても、能力アジリティーがわからない。

おれ、さっぱりどれがいいのかわからないんですが……」

 そううと、綺凛きりんさんが武器ぶきながる。

真実しんじつ戒禁かいごん相応ふさわしい武器ぶきはこれね。天空龍てんくうりゅう

 は、天空てんくうりゅうごとく、のろわれたたましい宿やどったかのようにするどつるぎだった。

 それは、るもののたましいるようだった。

 おれは、そのつるぎにぎる。

 ガシッ ブン

 数秒すうびょうにぎっただけで、つるぎおもくなったように、つるぎは、からちた。

「な、なんだ、ちからけるみたいだ」

「それは、真実しんじつ戒禁かいごん冬馬とうまだからこそ、あつかえる武器ぶき。それは冬馬とうま本当ほんとう魔導書グリモアール起動きどうしたとき真実しんじつ戒禁かいごん開花かいかしたとき使つかえる武器ぶきなの」

 そうわれ、なんとかにぎれるものの、せいぜい十分じゅっぷん限度げんどだった。

 とにかく、それを魔導書グリモアールにしまった。

おれ、これで頂点ちょうてん目指めざせるんだろうか」

なにってんのよ。頂点ちょうてんだって、文姫あやめやこのわたしたおすってことかしら?」

 そうって、おれはその部屋へやをあとにした。

 しばらくして、綺凛きりんさんとわかれたおれは、編入へんにゅうまえにもらった案内図あんないずひろげて、りょう目指めざした。

 学園内がくえんない広場ひろばていた。

「すげぇ〜ひろいし、ショッピングモールにカラオケ、ゲーセンなんでもそろってるもんだな」

 広場通ひろばどおりは、学生がくせいおおく、よくここらでものをするひとおおいらしい。

 おれ小腹こばらがすき、みちすることにした。

「すみませーん、串焼くしや一本いっぽん

「はいよ、5ポイントね」

「5、、5、、、5ポイント!?」

「おめぇ〜新入しんいりか?」

「は、はい」

「ここは、携帯けいたい表示ひょうじされてあるポイントマネーでものをするんだ。める方法ほうほう二通ふたとおり、まず、勝利しょうりすること、もうひとつは学園がくえんから毎月まいつき振込ふりこまれる、活躍かつやくポイントだ」

 おれはつくづくこの学園がくえんおそろしくおもえた。

 携帯けいたい確認かくにんすると、100ポイントしかはいってなかったのだ。

 編入へんにゅうしたばかりのおれさきおもいやられるがした。

 串焼くしやぶんのポイントを支払しはらい、おれは、りょうをひたすらに目指めざした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天使の指輪 KURO @KURO_j

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ