キミへの想い

第35話

実は僕、卵巣のう腫を

20年前に患ったんだ。

そして今また

20年を経て

また卵巣のう腫摘出術で

入院している。

２つの卵巣を

失った。

僕は更年期に突入だ。

卵巣のう腫が見つかり

開腹手術になり

入院しているのだが

よく夢を見る。

しばらくこちらに

来ていなかったのは

キミについて

記憶してるものは

ほぼ書いた。

肝心の別れた時のこと

まだキチッと

整理できてない。

それを書いたら

キミへの想いが

終わってしまう気がし

淋しいから。

僕はキミが改めて

スキなことに

気付かされたんだ。

夢によって。

卵巣が両方ないと

女性ホルモンは出ない。

生理は止まるし

更年期障害みたいな

症状が出るだろう。

女性としての人生は

終わるのだろうか？

機能的には終わるが

精神はどうなのか？

そんな時、

キミが夢に出てきた。

僕はキミが怒り出すのを

牽制しながら

キミと一緒にいる夢だ。

場所はよくわからない。

車の中である。

でもなぜか

僕はキミとキスを

しているのだ。

キスなんてもう実際、

10年以上は

してないと思う。

ココロはどうか？

愛おしい気持ちで

あふれていた。

女性としての機能は

終わりを迎えるが

ココロはまだ女性で

いられるのか。

夢でまた

会うことができて

こんなにうれしいなんて。

実際に会いたい。

触れてみたい。

あの頃のように。

女性が終わるから

ココロがあがいているのか？

今日は入院最後の日。

明日からそんな淡い夢に

遭遇できるのか？

また忘れてしまうのか？

僕はキミがスキなんだ。

また会いたいに決まってる。

どうかまた

夢で会えますように。