2
薄暗い倉庫
そこにいるのは2人。
1人は地面に這い蹲り、息を切らせている
もう1人は拳銃を地面に転がる1人の額にこすりつけている。
その拳銃はテロリストや強盗犯が使うようなものとはかけ離れている。
同じ拳銃と言って良いのかすらわからないほどに美しい。
まるで金管楽器のようで、一般人が使うようなものではないとひと目でわかる。
その拳銃の持ち主は
白い髪、緑の瞳と、まるで人形のような容姿だった。
でも、人形と拳銃とという奇妙な組み合わせだかなぜだかしっくりくる。
そして、少女はクマのぬいぐるみを抱えていた。
そのぬいぐるみは新しいものではなかったが、汚れも傷もなく、とても大事にされているようだった。
その反対にもう1人の方は
いたるところから血を流し、髪も服もぐちゃぐちゃ、ドロドロ。
あまりにも不釣り合いすぎてどこか、現実味が感じられない。
そして、残りわずかの力を振り絞り
口を開く
「…お前が白い魔女か…!!」
そして、白髪の少女はその問に答える
「あら、今頃気づいたのですか?
シャリアーヌ、血がついてしまったらごめんなさい。」
「なんだよ、なんでそんな余裕なんだよ!!?
俺達もうすぐ終わるんだぞ!!?
みんな死ぬん…」
その声は銃声によってかき消され、
もうその声を聞くことはなくなった。
バンッ
「あなたなんかと一緒にしないでくれますか?
虫唾が走る。」
冷静に無関心に引き金を引いた
そして、少女はもう一発心臓を狙う
二度目の銃声が聞こえた時には
無口な肉の塊となっていた。
「汚らわしい。」
少女は振り返り、ヒールの甲高い音を響かせながら出口へと歩いてゆく
「ごめんなさい。こんな汚らわしい汚物を見せてしまって。
さぁ、帰ったら紅茶を入れましょう。美味しいシフォンケーキを取り寄せておいたのよ。」
少女は手に抱えているクマのぬいぐるみに話かける。
もちろん、返事など無い。
もうここには少女以外に誰もいないのだから。
「あら、お気に入りの靴なのに汚れてしまったわ。 」
Afternoon tea 壱原侑華 @itiharara
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