第6話 能力者は無脳力者ばかり
家に帰ったら親父がリビングで待っていた。
説教かと思いきや、今日の戦闘について詳しく聞きたいらしい。
能力とか戦術についてあまり他の人に詳しく話したりはしたくないのだが、親父には能力で道具とかを作って協力をしてもらっているから無下には出来ない。
「それで、ボスから聞いたがかなり凄い戦いだったらしいじゃないか、なぁ?」
「親父、ボスは能力だけであんまり頭良くないから基準にしない方がいいと思うけど。どうせ、あのボスのことだから
『なんかバンッってなってバラバラになって勝手に相手が死んだように見えたよー全然良く分からなかったけど、とにかく凄かった』とか言われたんでしょう?」
「おお、お前よくわかったな、その通りだ」
「いつも通りじゃん」
「そうだったな」
ボスは馬鹿だ
言語能力に問題があるとしか思えない
美味しい肉を食べても
『なんか…そうだな。えーと、脂が色々凄い』
とか
有名な絵画を見ても
『絵がこう…なんというかな……まあとにかく凄い』
とか!ばっか言ってて聞いててムカつく感想しか言えない。
それに親子揃って馬鹿と来た。
もう救いどころがないよ。
「まあまあまあ、ボスの悪口を言っていると永遠に終わらないから後にしよう、
さあ、詳しく最初から教えてくれ」
危ない危ない、本来の目的を忘れるところだった。
クソが……精神攻撃をしやがって死ね
「最初はまず、行く前に、あの馬鹿息子と言い合いに…」
「それはいいから現場についてからで」
「えーと、まず能力を使って俺たち全員に消音と透明化をかけて奇襲しようとした訳、これはボスの作戦だけど」
「うんうん」
「そのあと、"閃光"を発見すりや否やあの馬鹿息子がいきなり派手な技を大声で叫びながら使って攻撃した感じで、消音をかけていたから聞かれなかったものの
火の玉を沢山飛ばす派手な攻撃をするものだから気づかれて渋々透明化を解除した」
「うわ、あり得ねぇ」
「でさ、奴は超再生とか言う能力を持っているらしく「なんでわかったの!?」
いや……"閃光"が『隠し球な超再生さえあればそんな攻撃は効かねぇ』って言ってたからさ……」
ぶふっ
思い出して
親父は思い浮かべて
二人で吹き出した。
話は続く
「で無視してずっと話していたせいかキレた"閃光"が俺に攻撃して来て、分身を出して代わりに俺は透明化して攻撃を繰り返した感じで……
あ、そうそう!この前親父に作ってもらった金属の糸あるじゃん!」
「ああー、あれが?」
「それを矢に括りつけて滅茶苦茶奴に向けて打ちまくったんだよ、
分かりづらいと思うけど矢が針だとして布に糸を通したような状態になった訳よ。
で、奴が丁度俺の前に来た瞬間、全ての糸がピンと張る状態にしといて、まんまと引っかかった奴はバラバラになった」
「え?糸でバラバラに?」
「作ってもらった金属の糸は勢いよくぶつけると良く切れる刃になる新しい武器で、それの実験で今回使って見たわけ」
あんまり親父もわかってないみたいだなぁ。
金属の糸があれば、気づかれず殺しことなど楽になるのに……
これの凄さに気づいたのは俺だけか…。
さて、親父にも説明してなかったことがあったのを思い出した。
それは、奴との戦闘でのことだ。
俺が透明化した瞬間に生み出した4つの分身は実態がないただの幻想だった。
が強力な力を持つ能力者に一般の能力者ではまず太刀打ちができない。
が、能力者のほとんどな脳が脳としてイマイチ機能してないような脳筋の連中が多くある程度騙し討ちとかを加えれば簡単に勝てる相手だ。
俺が実態のない分身に攻撃を避けさせたのは、実態があるタイプの分身と勘違いされるためで、実態のある分身はダメージが発動者にも伝わる為、奴は分身とわかって攻撃していたと思われる。
まんまと引っかかってあの脳筋野郎は、攻撃の当たらない、鬱陶しい分身に囲われた状態で消音と透明化によって至近距離まで見えなくなっていた長剣にあたりそうになって後ろへ下がった。
この時、俺が長剣の透明化を解除したのは奴にダメージを与えるのが目的ではなくいきなり巨大なものが近くまで来ていた衝撃によって視線を誘導し、次の段階に移るためであって狙ってやったものだ。
それから長剣に目を取られた瞬間に分身達を解除し、後ろに下がった時には分身を見失わせてその場に止まらせて、四方八方から鉄の糸のついた矢で撃ち抜いたって感じだな。
それに最後、俺が肩で息をしていたのも演技で、そに乗ってきた"閃光"はまんまと引っかかって俺に敗北したという感じだ。
やっぱ能力よりも戦術が大切だよねー
自称最強の能力者〜異世界の奴らを斬り殺せ @mokumokushituji
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