第6話 「うんざりだ」
脱出には成功した。
人と喋る動物は六人殺した。
仕方なかったのだ俺が妙案を実行するにあたって、必要な環境、条件、自分自身のタイミング、それが一致するのを待っていたら惑星直列如く遠い話で、せっかちな性分それだったらもう殺ってまえ。と、設備されている俺の全く当てはまっていない精神状態のカルテのクリップに挟まっている鉛筆?に似ている書き物を、隙を見て懐に仕舞い、毎夜行われる持ち物検査前にベッドの鉄柱で究極的に尖らせ、部屋から飛び出し(ドアーは足で破壊したので骨折はした)入り口、俺にとっては天竺のような出口に向かって走り出した。
当然職員、豚のナースや耳の尖った色白の医師、両手で馬鹿に紫が暗黒を産んだような色を作り出し俺に狙いを定めているおばあ諸共、近づいてきた順に究極的鉛筆で首に深く刺し、どうやら人の傷を癒せる、この世界で言う術者がいるらしく、手当てにあたっていたそいつも刺し、次の人の波が来る前に、悠々とアイツのように鼻息荒く月の光を浴びて、鼻で笑った。
笑ったがホームシックだろうか、急に寂しくなり、俺は究極を自分の顔面に刺しまくってそこから前後不覚倒れて意識が脱した。
はっと目が覚めると初めてこの世界に来た時と同じ檻に入っているのがぐるぐるの包帯越しに分かり、一人だったあのトカゲ野郎の他に四人警備が配置されていて、俺は人殺しとして一ヶ月後に緑の肌の怪物と闘技、という名の死刑をさせられる旨を鼻息から伝えられた。
高校生だった俺は院内で成人を迎え、経年で精神が磨り減った結果、難なく人を殺せるようになり、この世界が魔法使いがいるだけの、以前いた場所の常識がそのまま通る世界だということを噛み締め、舌を強く噛み締めた。
魔法使いだらけの世界に転生されて困惑の俺〜こんな扱いはウンザリだ!〜 町田ヤン @machidayann
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