これはきっと、あなたが知らない物語。これから見る、未知の世界。

SFファンタジーの文言にひかれて読み始めた、というのがきっかけになる。

その言葉に嘘偽りはなくて、作中の出来事はサイエンスな裏打ちがしっかりとなされている。
幻想的な世界と、SF。このマッチングが、非常にうまい作品だと思う。

だけれど、読み始めてそれ以上に惹かれたのは、主人公の心の動きだった。
少女と呼ばれる年頃の、繊細な心の機微。
何者でもなく、たやすく揺れ動き、だからこそいつか何者かになる可能性。

そういったものが、ドラマの中で描かれていたように思うのだ。
なるほど、そうだよね、そういう反応するよね──という納得感が、私の目を次のページへといざなっていた。
それがやけに小気味よく、とても楽しかったのだ。

これから完結に向かう物語が、どのような結末を迎えるのか、正直予想がつかない。
それでも、それこそが少女の本分なのだろうと、強く思うから。
三ツ星で、応援しようと思う。

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