第5話 最終話・殴る女と痩せたい少女の次のステップ
わたしはボクシングを再開した。
といっても大阪には帰らず、この街で。
今通っている高校にはボクシング部はないので、ボクシングジムに入門して17歳になると同時にプロライセンスを取得した。
デビュー戦はゴールデンウィークだ。
「
「うーん。まあ、殴るの好きだから・・・ってこれじゃまるでアブない奴だよね」
「ううん。でも、殴られたら?」
「ボクシングってパンチ、
「え。
「いや、それは・・・」
あぶないあぶない。
思わず中学までのいじめられ続けた日々を愚痴りそうになってしまった。
別に今更いいんだけど、やっぱり
「それより
クリスマスにカップルたちをドン引きさせた親水公園は桜の名所でもある。
薄ピンクの花びらを浴びて立つ
「あのね、
「へー、知らんかった。何て?」
「
「はは。矛盾してるやん」
「でもこうして両方かなった!」
さーてと。
殴る女に返り咲いたわたしは、腹立ちじゃなくって心安らかに相手をぶん殴ろうかな。
やっぱり、どっちにしても暴力女みたいやね。
おしまい
殴る女と痩せたい少女 naka-motoo @naka-motoo
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