2. 圧倒、疾走、鬼畜なゼロ

 『スーパーマリオワールド』と並んでローンチタイトルとして世に送り出されたタイトル、それが『F-ZERO』。

 スーファミに搭載されている拡大縮小回転機能を使い、今までにない超高速なスピード感をリアルに表現し、「これがスーファミの実力だー!」と圧倒してくるレースゲームですね。これもまた、ローンチタイトルにふさわしい名作です。

 遠い未来という設定をうまく使った、さまざまな仕掛けのある多彩なコースを走り、グランプリを勝ち上がっていく。単純明快ですね。

 コースごとに用意されている、疾走感あふれるBGMはどれも名曲揃いで、そこもまた時速400km超のレースを引き立ててくれます。


 と、まあ、いいことずくめのように見えるのですが、本作には今のレースゲームでは見られない鬼畜仕様があるのです。


 レースゲームって、慣れてくると、簡単なコースとかだとだいたい一位でぶっちぎって二位以下を大きく引き離せるようになるじゃないですか。

 本作、それがシステム上不可能なんですよね……。

 どれだけ一位でぶっちぎっていたとしても、少しミスして減速したら背後から敵車が抜き去っていきます。

 どれだけ離しても後ろにぴったり着かれている仕様なんです……!

 ファイナルラップでミスしたときの絶望感といったら半端ないです。


 それでもやはり、冒頭で述べたようにものすごく楽しいんです。この疾走感は。

 鬼畜仕様にも負けず、ちゃんと最高難易度で全レース制覇しましたし。

 対戦モードとかもないので、ひたすら自分との戦い。超ストイックですね。


 鬼畜な欠点をありあまるほどの魅力で圧倒する。それが『F-ZERO』。

 私はまだまだ、走れます。




 ちなみにこのストイックな特訓のおかげで、とあるレトロゲーム同人イベントで開催されたF-ZERO大会で優勝することができました。やったね!(効果には個人差があります)

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