第5話 二重人格

『はあああああああああああああああああああああああ?????????!!!!!!!!!!』

僕とルーチェの声が広場に響き、お婆さん−リーパ…だっけ? -が飛び上がった。

「な、何じゃ心臓が止まるではないか。しかし、自分の’匂い’は嗅ぎ慣れておるからのう。分からぬのも無理は無いが」

「嘘でしょ!私、弟がいるって知らなかった!」 「よかったの〜」 

ルーチェはとても嬉しそうにとびはねている。

「でもそんな簡単に解決しちゃってもいいのか? 何で僕たちの親は僕らを離れ離れにしたんだ? っていうかこんなバカと兄弟はちょっと…」  

『ルーチェを侮辱するな』

突然ルーチェが発した言葉に恐怖を覚えた。 いやルーチェじゃないのか…

いつの間にかルーチェの髪先はオーロ(金色)からプラータ (銀色)に変わっていた。

「これっオスクリタ。そうすぐに威嚇するなと言ったろう」

『けどバーさん』  「言い訳は無用じゃ。謝りなさい。大体お前は…」

………説教するおばあさんと説教される孫……ていうか

「オスクリタ”闇”?」  

「ん?ああ。オスクリタはルーチェのもう一人の人格じゃ。二人は正反対じゃからのう光があるところには闇がある。オスクリタはシスコンの塊と考えておけばよかろう」

「…マジでか。」

単なる親戚かと思ったらまさかの自分の姉で、その姉がバカで二重人格者で、人格によって髪の色が変わり、しかも片方はシスコンの塊というのは流石に想定外だ。

なんでこうなったんだろう…


「…とりあえず二人同時に話しかけたいんだけど…一々入れ替わるのも面倒じゃないかな」

「確かにそうじゃの」 

お婆さんが木の幹に手をかざすと五芒星二つと”闇”と”炎”と”魂”の模様の入った魔法円が現れた。その真ん中にどこから取り出したのか僕らより少し大きい人形を置いた。

「ペルソーナ・オスクリタ・ドル・フランマ」

静かな声で詠唱すると魔法円から炎が上がった。

その炎は他のと違って周りが真っ黒だった。

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Who are you〜もう一度嘲笑って〜 KAWAIYUKI @third_eye

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