恋焦ガレ、君想ウ。
@arsmgn
第1話
「あぁ、死ぬのかな?」
目の前にいてはいけないものが現れてしまった。
誰かを殺してきたのか、前に付いたものなのか返り血で青紫のローブが染まってる。
ボサボサになった髪の毛が気だるさを余計に強調するような。
何かはハッキリとわからないけど、確実にこの世のものではないよね。
「僕と一緒に来てくれる、、、、、?」
切なそうに呟いた彼は、悲しそうに笑った。
「あなたは、何?私はどうなるの。」
今思えば少しおかしい質問かもしれない。でもあの時はきっと狂ってた。
彼は、私は独りだったって言うけど、誰にも縋ろうとしなかったって
そう言うけど、私が1番誰かに依存しようとしていた。
「僕は死神。Ackerson・jack・Grenville(アッカーソン・ジャック・グレンヴィル)
グレンって呼んでね?」
「私は」
「知ってる。Oakwood・Lisa・Alisia(オークウッド・リサ・アリシア)
でしょ?ずっと見てたから。」
その時、この人からは逃れられない。きっと死ぬ時もこのまま、彼の玩具を見るよう
な目で最期を看取られる。まだ10歳だけど、10歳ながらにそれを悟った。
「アリシア、行こう?僕と一緒に、『死へ』行こう。きっと楽しいよ。
こんな世界よりよっぽど。」
「行かないって言ったらどうなる。」
意地悪く笑った彼は、私の言葉を聴いて一気に顔を曇らせた。
「どうして!きっと君が好きな場所だよ。きっと気にいる。悲しいこと言わないで。
僕を失望させないでよ。アリシア。」
冷たい目で冷たく彼は言い放った。目に苛立ちが募っているのがわかる。
「嫌」
「連れて行くよ。僕が君を気に入ったから。君の魂は僕のものだ。」
彼が大きく手を振りかざす。思わず私は目を瞑る。
暫くすると周りが煌々と光り始め、ゆっくりと光りが落ち着いていった。
誰かが私の背中にそっと手をかざした。
それを合図に大きく目を開くとそこには、カラフルな屋台が立ち並んでいた。
恋焦ガレ、君想ウ。 @arsmgn
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