第3話 はじまり

20××年 5月。



「みのり!みのり!はやく起きなさい!」



「いやだっ!」

自分の叫び声とともにガバッと起き上がる。

「あれ、お母さんだ」


「なーにが、お母さんだ、よ!あんたうなされてたけど変な夢でもみてたの?」


「そう!それが!あれ、、、なんだっけ。」

嫌な夢をみたきがするんだけど、どうしても思い出せない。


「変な子ねぇ。まぁ、いいわ。ねぼけてないで早く起きなさい。

いいの?学校遅れるわよ」


「えっ、今何時」

慌ててベッドの脇に置いてある携帯を確認する。

「うわっ、もう7時30分じゃんか!電車の時間まであと15分しかない、、

やばい、やばい、やばいーーー」

急いでベッドから飛び起き、制服にきがえて顔を洗うため洗面所へ



「みのりー!お母さん仕事行くから戸締りよろしくね」

玄関のほうからお母さんの声がする。

「はーい」


今日はもうメイクはファンデとチークだけでいいや、

朝ごはんも食べてる時間ないな、、

サッとブラシで肩より長い薄茶色の髪の毛をとかす

こうゆうとき、もともとストレートヘアだと楽ね。


よし、準備おっけー!

玄関でローファーを履き、鍵をかける


いそがなくちゃ!!

早足で駅へとむかう


最寄りの桜田駅から電車で15分の所にわたしが通う桜坂高校がある。

自由な校風が魅力で偏差値は少し高め、制服が可愛いから

それ目当てで入学を目指す人もいる。

もちろんわたしもその1人だ


あまり勉強が得意ではなかったから受験勉強、必死だったなぁ。

毎日徹夜して、お父さんが1回だけおにぎり作ってもってきてくれたことあったけど

しょっぱすぎてあんまり美味しくなかったんだよなぁ。


ふふっ、思い出すと笑ってしまう。


改札が見えた、時間を確認すると7時43分

ぎりぎり間に合いそうだ


全力で走るわたしの横目にちらっとおばあさんが転ぶのが映る。

んーー、もう!


「おばあちゃん、大丈夫ですか?」

息をきらしながら、おばあさんのほうへ駆け寄る

目に映っちゃうとさ、放っておけないんだよね、、


「あらあら、ごめんなさいねぇ。最近、脚が痛くて、、

あら、めがねがないわ。」

転んだときに落としたみたいだ


「めがねですか、ちょっと待ってくださいね」

きょろきょろと辺りをみまわす



「あの、これですか。」

すると同じ桜坂高校の制服を着た男子がメガネをさしだしてきた

長身で爽やかそうな、なかなかのいけめんだ。


「そうよ、ありがとうねぇ、お嬢さん、お兄さん

これ、良かったら。それじゃあね」

と言いながら棒つきキャンディをくれた


「「いえいえ、ありがとうございます」」


おれんじ味!わたしの好きな味だ。やった



「あ!電車!!!」

やらかした~、、


「もう行っちゃったな」

謎のイケメン男子が話しかけてきた。

イケメンは声もイケメンなのか、、

あとで友達の花たちに報告だ。


「うん、あの、メガネありがとうございます。」


「ははっ、自分のメガネじゃないんだからお礼いらないだろ」

笑うと可愛いのね。罪だわ。


「確かにそうですね、、けど電車あなたも乗る予定だったでしょ?」


「そうだけど、あめ貰えたしチャラってことで!

君も桜坂高校だよね」


「そうです、桜坂高校2年生です。」


「俺も2年!

2年6組、福澤(ふくざわ)湊(みなと)って言います。」


「わたしは2年2組、丸山(まるやま)みのりです。」


「2組ならクラス離れてるからあんまり接点ないもんね(笑)」


「ほんとに(笑)今初めて知った!よろしくね。」


「おぅ、よろしく」

俺は丸山さんのこと前から知ってたけどね(ボソッ)


「え?なんか言った?」


「いや、なんでもない」



ぐ~~。勢いよくお腹が鳴った

「ごめん、わたし朝、寝坊して朝ごはん食べてなくて。」

うわあ~恥ずかしい、、



「実は俺も寝坊して朝ごはん食ってない。

どうせ遅刻だし今日さぼろうかな、、」


「あ!それ賛成!たまにはさぼるのもいっか!

じゃあついでに寝坊仲間ということで朝ごはん食べに行きませんか?」


「いいね~、けど俺ら制服だしばれたらやばいよな、、」



「ふっふっふ、それはわたしに任せて!こっち!

秘密の場所に案内してあげる!」


「え?」


福澤君に手招きしながらわたしたちは駆け出した。





















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じゃあ、またね。 りんご @rinana

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