第2話 はじまる
まもなく~、暁峠~、暁峠~、お降りの方はお近くのボタンでお知らせください。
ピンポーン。
バスの運転手さんのアナウンスを聞き、ボタンを押す。
この流れゆく車窓からの変わらない風景、何度みたことだろう。
暁峠からは私の住んでいる春日町を見渡せる。
去年、私が高校1年生の頃、親に連れられてたまたま目にしたあの景色に
なぜか、感動した。
別に絶景とよべる景色でもないし、これといって特別な建物があるわけでもない。
閑散とした住宅街、少しだけ賑わいをみせている商店街、公園では学校帰りであろう
小学生たちが遊んでいる。そんな日常的な風景に何故か感動をおぼえた。
それ以降、気分転換によく暁峠を訪れるようになった。
そろそろ降りる準備をしなきゃ、、
両耳につけたイヤホンをはずし財布をとりだす。
ちゃりーん
私の100円!
座席から落ちた100円はころころと転がっていく。
幸いポツポツとしか乗客がいなかったため急いで拾おうと席を離れる。
「どうぞ。」
同じバスに乗っていた見知らぬ男性が拾ってくれたようだ。
「ありがとうございます。」
手をのばして100円玉を受け取ろうとしたその時、、
キキー、ドンッ
「キャーッ」
体に衝撃をかんじた。
あれ、今なにが起こってるんだろう。周りの景色が宙に浮いている。
あ、わたしが宙に浮いてるのか。痛い。体中が痛いよ。
100円受け取れなかったな、、。
わたし、死ぬのかな。
まだ高校生だし、恋愛だってしたことないのに、、
あーあ、、
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