第4話
「占いってしんじる?」
夏目がまるで会話が無くなって、当たり障りのない話題で沈黙を破るようなそんな話題を言ってきた。今日の運勢は最悪だな。
「いや、信じないな。」
「なんでだよ?」
「だって根拠ないじゃん。僕は根拠のないものがあまり好きじゃないから」
「お前は本当に面白くないやつだなぁ。いいか?占いってのは迷える子羊である我々を救ってくれる導きの言葉なんだぞ?」
何だこいつ新興宗教にでも騙されてるのか?最初は悩みとか聞いて、そのうちファミレスでいろんな説明受けて、最終的に全身真っ白の服とか着せられるのか?距離でも置こうかな?そうしようかな?
「夏目。何か嫌なことでもあったのか?僕でよかったら話でも聞くけど?」
やだ、秋月君優しい。勝手にひとを助けてあげようと体が動いてしまった。ヒーローの第一条件を獲得してしまった僕に人の気持ちを考えない悪役のような夏目が話を進める。
「ともかく、占いってのは信じなくても聞いてるだけで楽しいんだからお前もやろうぜ!ほら手相占い出来るから手を出せ!はやく俺に手相を見せろ!ほら!」
「なんでそんな必死なんだよ。ほら」
そう言って僕が手のひらを夏目に見せてやると、夏目は知識をひけらかしてきた。
「あーちょっと生命線が短いなぁ。それに頭脳線も短いし、ここにはKY線もあるわ」
「占い信じてない奴の手相見てくるお前にKYなんて言われたくないんだが…」
「なんだよ!折角覚えてきたのに!ちょっとぐらい乗ってくれよ!このリアリストオブリアリスト!覚えてろよ!!」
夏目は捨て台詞を吐いて教室を出て行った。
……どうやら人の気持ちを考えられなかったのは僕みたいだな。これじゃあどっちが悪役かわからないな。
「僕のアンラッキーアイテムは占いだったのかな?こんなことなら朝の占い見るべきだったな」
他愛もない雑談 角槍頭ツノヤリトウ @denden64
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