§5-3-14・2021年、中華人民共和国破滅への借金道(その7)・中国華融資産会社の死←国策の債務整理会社の方が債務で先に死によったがな(呆れ)…(๑꒪ㅁ꒪๑)??

○ラスボス・中国華融資産会社、既に死亡(弱っ)…┌(_Д_┌ )┐


多額の民間債務が発生した場合、打つ手は一つしかない。「債務整理」だ。民間の債務を整理回収して健全化する必要がある。


前から述べているように金融機関は特別で、此処が多額の債務を抱え込むと産業が止まる。「信用創造」を生み出す原資たる「カネの供給」ができなくなるからだ。戦後日本の復活が戦時債務の整理だったように、基礎的な産業力のある国は債務さえ整理すれば復活が可能だ。90年代のバブル崩壊した日本もそうだった。こうした時の一つの有力な方法が債権回収のための国策会社〜「資産管理会社バッドバンク」の設立だ。日本でいう「整理回収機構」の事である。


「整理回収機構」は、1980年代に発生した米国不動産バブル「S&L破綻」に際して債権回収のために米国で設立された「整理信託公社(RTC)」に範をとったものだ。日本のバブル債務で傷ついた金融機関の再生・健全化と債務整理を目的としていた。実際にはカネの取り立てと金融機関への破綻処理・反社との対決という荒っぽい仕事の一切を引き受け、事実、中小企業からの取り立てでは自分たちの方がヤクザまがいと言われるほど過酷に追い詰めていた(爆)。他にも不動産融資を主力とする多数のノンバンク系金融機関…一括して「住宅金融専門会社」と呼ばれる「住専」およびその親会社の金融機関の整理統合と公的資金投入なども行った。


とても有能…(  ̄ー ̄)y-~~


勿論、この時のバブル退治は政府日銀財務省の総力を挙げての戦いであり、整理回収機構はそのフロントエンドの尖兵に過ぎないのだろう。しかし国家破綻・債務破綻とは反社との対決、そして不良債務を抱え込んだ奴らからの引き剥がし、そしてバカ金融機関を締め上げたり殺したりを請け負う「キレイ事無用・荒事専用の特殊作戦」の能力が勝敗を決する。米国の整理信託公社(RTC)もまた不良債権の7-8割もの額を回収したとされている。米国の貧乏人もこの煽りを受け、家を手放して路頭に迷うしかなかった白人黒人が多数いたのであろう。気の毒な事だ。最期の犠牲者は常に貧乏人だ…(T_T)

しかし現在の中国でも、こうした資産管理会社バッドバンクが必要なのだ。では中国では資産管理会社は無いのだろうか?


ある…( ー`дー´)キリッ

例えば「中国華融資産会社」がまさにそれだ。


実は中国は1990年代に一度、国家破綻の瀬戸際まで追い詰められていた。読まなくていいけど、一応…


なぜ中国は経済成長したのか?(前後編)

(^^)っ「https://kakuyomu.jp/works/1177354054884987864/episodes/1177354054886637919

(^^)っ「https://kakuyomu.jp/works/1177354054884987864/episodes/1177354054886637925


要約すれば、改革開放政策により経済力が爆上がりした。特に多額の貿易黒字により国富は増大し、人民元の実質的な通貨供給量が爆増した。インフレ要因だ。しかし市場と金融システムの未整備・未発達のため大混乱し、好景気による投資・産業バブルが起こったものの、アジア通貨危機に前後して弾けて爆死。多額の債務を抱えて国ごと転げ落ちたということだった。


特に金融系のダメージは深刻だった。そこで1999年に国営四大銀行の中国銀行・中国農業銀行・中国工商銀行・中国建設銀行の不良債権処理のため…


「東方資産管理会社(主に中国銀行の債務処理会社)」

「長城資産管理会社(中国農業銀行系)」

「華融資産管理会社(中国工商銀行系)」

「信達資産管理会社(中国建設銀行系)」


…の4つの資産管理会社バッドバンクを設立した。財政部(←日本でいう財務省)などの複数の政府系金融担当部+中国人民銀行(←中国の中央銀行)が指導する事実上の国策会社だ。


この時、四大資産管理会社は四大銀行が抱え込んだ約1.4兆人民元分の不良債権を買い取り、約1兆元程を処理したとされている。当時の元レートが意味があるかどうかわからないので円換算はしない(でも大体15兆円くらい)。また処理の会計がどうなってるのかも判らない。ただ1/4は現金で回収したそうで、かなり厳しい取り立てを行ったのであろうと想像できる。残りは債券もしくは債券の証券化などで投資に再活用したのかもしれないし、ただ単に残ったままだったのかもしれない。会計の処理内容とその後に関して情報が見当たらなかったのが残念なほどだ…(T_T)


しかしその後、猛烈な勢いで成長力を取り戻したので、この時の債券も「インフレで消滅していった」→消えて失くなった…と考えるのはあり得る話だ。てか、この時の債務が、今から考えれば「たった15兆円程度じゃん( ・᷄д・᷅ )」という感じではないか?


正直、これこそが「正しい債務の抹消の仕方」だ。

経済成長というインフレで借金をすり潰すべきなのだ…( •̀ᄇ• ́)ﻭ✧


経済成長すれば所得が増えるだけではない。キミたちの預金通帳の「0」の数が増えることは、ただ単に「嬉しいヽ(^o^)丿」だけではない。借金がボロボロと「消滅」していくのだ。経済成長=インフレ=物価高でもある。たとえば昔、一個100円だった饅頭がインフレで一個500円に物価高したら、饅頭から見たら「昔は100円の価値しかなかったが、今では500円…つまり五倍の価値があるYO-(^q^)♪」である。逆にいえば「お金の価値が1/5に下がった」と言える。そして我々は既に「通貨=国債」という事も知っているし、債券は「借金」という「カネ」であることも知っている。


なので「インフレで通貨=債券」の価値が勝手に下がるのだ…Σ(゚Д゚)!?

借金が値崩れを起こしグイグイと減っていくという事だ…( •̀ᄇ• ́)ﻭ✧


証券債券などのカネ系はインフレに弱いという話は既にした。そのため中国ではインフレヘッジ→不動産バブルが発生し、こうして恒大集団が死にかけているのだ。日本だってTAMIYAの1/700の戦艦大和のプラモが20世紀には700円だったが今では3200円ではないか? 大和の価値は四倍以上に跳ね上がり、逆に「カネの価値は1/4に減った」と言える。実際には「国防費が高くなった」と言うことだ。


キミの家の財務大臣(←大抵はママ)が怒るわけだが…(  ̄ー ̄)y-~~



  ※     ※     ※



この後、中国は未曾有の経済的飛躍を遂げる。ワイら的に言うならば「1990年代の債務整理をしたから〜特に激しいインフレと(通貨バスケット制への移行に伴う)実質デノミ、そして民間人債務の不履行などの庶民にばかり犠牲を強いて借金を潰したからこそ、債務整理に一応のメドがついたリーマンショック以後から現在まで続く中国の爆発的な経済成長が可能になった」のであるが、愚かにも中国は全く同じ失敗を繰り返した。つまり今度は理財商品を使った「債権バブル」をこの間、延々と続けてしまったのである…


全然懲りてなかった…┌(_Д_┌ )┐


そして2021年、莫大な借金を官民が抱えて四苦八苦した挙句、三条紅線だの環境保護エネルギー政策だのワケのわからないクソ政策の為にヘタすれば沈没しかねない程、傾き始めているのだ。しかし「それでも大丈夫アル(^^)/」なはずだった。なにしろ東方・長江・華融・信達がある。債務を引き受けて片付けてくれる「整理回収機構」が4つもあるのだ。だったら、こいつらを使えば良い。それどころか…


借金しまくって経済成長した方が良いじゃんアルよ…(  ̄ー ̄)y-~~


インフレ続けば景気は良くなる・金持ちになれる。しかも借金、グイグイ減ってくじゃんよ。+ワイらは不動産買いまくってボロ儲けすりゃいいんだからよアル…くらいに考えたのかもしれない(爆)。


ところが蓋を開けてみたら、とんでもない事が判った。

華融資産管理会社が既に死んでいたということだった…┌(_Д_┌ )┐


この中国華融資産会社自体が、中国恒大集団エバー・グランデを遥かに超える多額の債務を抱えてデフォルト寸前なのだ(爆死)。その総額は現在のところ全く不明なのだが、30兆円を超えるだろうと言われている。勿論、こんな「少額」のはずはない。特に気になるのは華融資産会社が中国工商銀行の債務整理機構という「出自」だ…。


現在、中国は1300万〜1500万程度の会社があり、そのうち政府系は約3-5%くらいと言われている。殆どが地方政府系の企業だが、最重要かつ超巨大な企業97社は中央政府直轄の国営企業だ。


【おまけ】中国中央政府直轄(=国務院国有資産監督管理委員会)の97社の資料はこちらアル。

( `ハ´)っ「http://www.sasac.gov.cn/n2588035/n2641579/n2641645/index.html」


国策企業には核関連企業の中国核工業集団や中国石油天然気集団(→ペトロチャイナの親会社)、シノペック、チャイナ・ユニコム、宝鋼集団など世界的に有名な軍事・科学・エネルギー・金融関係がズラッと並んでいる。この97社を含めて約45万社が中央および地方政府系企業で、いまでも中国の20%以上のGDPを叩き出している。確かに社会主義国なので国家が二割のカネを稼ぎ出しているとしても不思議ではないが、中国はいまだ「国営企業の国」なのだ。問題なのはこのセクターの債務で、なにしろ国有企業だけで4.1兆ドル(だいたい450兆円くらい)もの債務を抱えているとされているのだ(2021年4月16日Bloomberg配信)。


そして華融資産会社は商工企業系債務の整理回収と債券買い取りを請け負っていたはずだ。ならばこの莫大な債務のかなりの部分の「ケツ持ち」せねばならないと考えられる。それも高い金利が付いている不良債権の、だ。


しかし華融に出来るのか? 自分のケツさえ拭けないのに…(?_?)


一体、何をやれば債務整理会社が破綻寸前の債務を抱えるようになるのか? もはや無謀な投資orバクチ的な投機にのめり込んだくらいしか考えられないが、詳細がこれまた開示されない。どうなってんだ??(怒り)。それどころか組織が不正乱脈経営しまくりで全く機能していないと来ている(呆れ)。実際、悪質な汚職の罪を問われ、2021年の夏に頼小民・中国華融資産管理元会長が死刑になったほどだ。つまり…


キミキミ、ちょっと待ったりーナ…(゚д゚;)!?

最後の防波堤が、もう無いじゃん…(@_@;)?!


もし中国華融資産会社がデフォルトを起こせば、華融がケツ持ちしていた国有企業の債務が吹っ飛び、国有企業が次々と大規模連鎖破綻を起こしかねない。そうなれば彼らと関連のあった民間セクターが幅広く信用不安に陥る。今日の段階で450兆円もの債務を抱える国有企業がバタバタ倒れるだけでなく、民間までもが大規模に焦げ付きかねないのである。しかも不渡り連発になれば資産計上していたものが債務に転げ落ちる。その総額がどのくらいまで膨れ上がるかサッパリわからないのである。これだけでも全人類の脅威なのに、さらに困ったことには、どうしたわけか中国華融資産会社が約2.3兆円もの外債を抱え込んでいて、この支払いに苦慮しているそうなのだ…


…( ゚д゚)?


現代においてデフォルトの定義は、外国建て債権(外債)の利払い・償還不履行のみ…つまりガイジン相手の借金を返せなくなった時だけ、という狭義で解釈されるのが普通だ。仮に中国人が人民元で不動産バブル死亡で借金踏み倒したとしても、「中国人同士の問題」なので世界は見てみぬふりをするものだ。だからこそ今日の段階で、中国発の第二のリーマンショックが発生していないのである。というのも、管理通貨制度においてはカネは「金利の付いていない国債」であり、その国債の原資は税金なのだから、国内債務の踏み倒しとは人民元と元建て債券(+金利)とのやり取りであり、どちらも中国国債をモトにしているのだから被害は人民元の流通範囲内に限定されるという理屈だ。しかし外債は違う。ガイジン相手の借金は本当に「タダの借金」だ。これを債務整理金融機関たる中国華融資産会社が2兆円以上も抱え、なにより「返せないアル…(T_T)」と騒ぎ立てているのである。


愕然…( Д ) ゚ ゚


特に国有企業の外債返済不履行は、本来なら国家デフォルトである。例えばギリシア危機の時のギリシア国有鉄道の一件がそうだ。2015年6月末にギリシアが債務不履行の危機に陥った。「ギリシア危機の三週間」と呼ばれたこの時、最直近の翌月7月14日に日本で募集したギリシア国有鉄道の20年物債務(サムライ債)の支払いが予定されていた。もし償還が滞る場合、普通ならば「ギリシア国鉄のデフォルト」扱いで破産認定→国鉄精算…の流れになるだけだが、この時のギリシアのように「国に全くカネがない(T_T)」という場合、国営・政府系企業の対外デフォルトはそのまま国家デフォルトになる。何処にも弁済するカネがないからだ。当時はギリシアデフォルトとケツ持ちをしていたEU全域での金融連鎖破綻→第二のリーマンショックの危険性さえあったが、シレッと約700億円の支払いがあり、かろうじて世界破滅の危機は回避できたというギリギリの事件だった。


中国の場合、まだカネは国内外の何処かに残っているだろうから、万が一に華融がデフォルト起こしてもせいぜい部分デフォルト(もしくは選択的デフォルト)扱いだろう。しかし国策企業の外債返済不履行は国家の破綻に直結するのだ。自分のトコの債務さえ返済できない債務返済会社に、判ってるだけで450兆円もの債務が乗っかってくる危険があるのだ。これでは雪崩れのように全面バブル崩壊の危機さえある。


呆然…( ゚д゚)ポカーン


要するに中国不動産の問題では恒大集団などという民間企業は二の丸に過ぎず、本丸がこの中国華融資産会社だったのだ。情報開示がなされることのない独裁政権下で国民のチェックを受けていない中国華融資産会社という資産管理会社バッドバンクがコッソリと、しかも恒大集団の30兆円40兆円なんてのとはケタが違う天文学的な債務を抱えていて全くおかしくないという絶望的な恐怖だ。日本で言うところの「整理回収機構」が多額の不良債権抱えて破綻しそうでは、中国が抱え込んでいる多額の債務整理をどうやって行なえというのだ? てか、連中本人が自分の借金が何処にあるのか判ってないのではなかろうか? こんな調子では今後、いくら簿外債務が出てくるか判ったものではない。そもそも華融の破綻危機とは2020年の決算が(ヤバくて)出せないという信用不安から発生しているのだ(ド呆れ…)。おまけにガイジンにカネを借りねばならないほどカネに困っていて、その借りたカネさえ返せないというのでは…


もはやオワッとる…┌(_Д_┌ )┐


しかも此処でまたまた習近平政権の「奇妙な振る舞い」に翻弄される。

華融資産会社は頼小民(←死刑)の元、国策債務整理会社というよりも単なる投資ファンドに化けていた。不正乱脈融資や帳簿操作・簿外債務(+おそらく収賄など)の悪徳のオンパレードに加え、金満な社債投資家たちに対する苛立いらだちからか、習近平政権は華融が2020年に既に記録的な赤字を出して財政規律が崩壊していたにも関らず「懲罰的」対応を続け、五ヶ月以上も救済の手を差し伸べなかった。この間に多数の社債投資家が大損を出した。その損失は言うまでもなく「国富の損失」であり、その分国力が摩滅したにも関らずだ。


中国のクレジット市場…つまり社債などの債権市場はおよそ12兆ドル(約1300兆円)もの規模があるとされている(Bloomberg2021年8月19日配信記事)。これは「借金市場」であり、万が一にも吹っ飛んだら終わりだ。そしてCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)と呼ばれる、毎年掛け捨ての保険金の負担が爆増する。逆に言えばCDSの負担上昇率こそが「その国の破綻リスク」を端的に表す。そして華融の救済が進まなかった時の中国債券5年ものCDSスプレッドは30bps→40bpsへとジリジリと上昇していた(ベーシスポイントbps=0.01%)。華融の債務不安が中国クレジット市場全体の不安要因と破綻リスクを押し上げていたのだ…(;゚д゚)


ようやく6月になって別の国有会社・中国中信集団を中心とする大規模支援がまとまり8500億円の資本注入を受けて生き返りつつあった矢先に恒大集団の破綻騒ぎで再び信用不安に陥ったというわけだ。ちな、この結果、中国CDSスプレッドは一挙に60bpsまで跳ね上がった(爆死


…┐(´д`)┌ヤレヤレ


だが中国人は、強権的な政府の情報統制により中国華融資産会社の真相を知ることも出来ず、しかも我ら日本人のように不動産バブル崩壊後がどれほど苦しく悲惨だったか?…も想像できないのである。これでは中国人は持ってるカネ(≒国民資産)を、バクチまがいの債権バブルに突っ込み続ける…という欲深なモチベーションが砕けて無くなるか、突っ込むカネが無くなるかしない限りは続くのであろう(呆れ…


ならば次のページからは、中国人のカネの状況を債務および他国との比較で検討してみようと思うのだ…m(_ _)m


【 この項目、さらに続く…m(_ _)m 】

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