身近であって身近でない、そんな誰かが通る道。

 私が特に感銘を受けたのは、『足音を聞かないで』の回です。正直に申し上げて、「うまい!」と口にしてしまったくらいです。

 1話完結でスッキリと読みやすい文体で、読了後も余韻が響く、そんな物語の数々です。

 甘酸っぱさ・寂しさ・暖かさ、そのどれもが心地よい印象の数々。たまに眠れない時に読んでみると、良い眠りになりそうです。