第4話 相対峙
ふと我に返ると、血の海に沈んでいた。
目の前には一人の男が立っていた。
自分の体は動かず、相手の男は返り血を浴びながら立ち尽くし、
微動だにしなかった。
どうして自分が今この状況に陥っているのか、
どこで間違ってしまったのか、朦朧とした意識の中、なんとなく思い出していた。
――――集会所についた我々は、応接間に案内され時間までお茶を嗜んでいた。
これから顔合わせする人たちの前情報が机には置かれいた。
参加者は全部で10名。
うち一人は自分でほかは全て自分よりも二周りぐらい年上と見えた。
それぞれ特徴的な雰囲気はないが、実績の欄にはとてつもない偉業がずらずらと並べられていた。
この人たちのおかげで今の我々の生活があるといっても過言ではなかった。
いよいよ集会の時間だ。
案内人に連れられ大きな長方形のテーブルを囲うように椅子が並べられていた。
自分は入り口に近い一番手前の席に座らされた。
それからしばらくして続々と参加者が入場し、各々決められた椅子に座る。
最後に入ってきた一人が一番奥の中央の椅子に座り、しばしの沈黙があってから重い口を開いた。
”今ある我々の一族を終わらせる。”
そう確かに言った。
聞き間違いではない。
そしてすぐ堅牢してある大き目の鉄製の箱が衆前に持ってこられた。
開けられた中を見て絶句した。
私の母だ。
中に居た、正確には仕舞われていたのは私の母の亡骸だった。
何が起こっているのかわけもわからず、
立ち上がることも出来なかった・・・。
どこにでもある話 だぼるぶ @syureck0902
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