ラーメンを語るものでも嗜好を追求する小説でもなかった衝撃を忘れられない
- ★★★ Excellent!!!
家族とか、不在とか寂しさとか、愛情への歪んだ認知だとか、普通とされる何かが欠落した日常で育った大人は、どうしたって足りなかったものを求めて幻想を追いかけ、決して報われない悲しみを持て余す。
けれども、サッポロ一番味噌ラーメンの思い出に愛の真実を見た書き手の洞察と、自発的な深い愛情に、殴られたような衝撃を受けた。
子供に食を提供することに義務的になり、片付けを優先して自分は座らないような日々の食事を反省した。
胸に刺さり、いつまでも忘れない作品に出会った。