授業をハッキングしたのは、誰だ⁉

 ロボットものではあるが、生々しい作品。ロボットの機体が損傷した時の描写は、まさしく生身の人間が腕をもがれた時の描写である。また、ロボットが受けたダメージは、操縦者であるリンカーの脳にそのままダメージとして認識される。強制的に離脱すれば、それはそれでダメージがある。
 主人公はそんなロボットを学ぶ学生だ。しかもリンカーとしての素質がある。複雑なロボットの仕組みや、ロボットのプログラミングなど、学校の授業の形を取ることで、読者に分かりやすく提示している。また、そこで繰り広げられる学園生活や寮生活、人間関係なども見ものの一つとなっている。
 リンカーとして、ロボットに乗り込むのも授業の一環である。しかしそこでトラブルが発生する! 何と授業中に、ロボットが何者かにハッキングされてバトルが勃発してしまう。まだリンカーとしての経験が浅い主人公たちは何とかその場を収めようとするが、苦戦。そんな中、「無敵」と称される室長が登場し、敵と化したロボットをあっという間に撃退するのだった。
 重くなりがちなロボットとリンカーの関係性だが、コミカルな生徒同士のやり取りや、キャラクター設定でそこを感じさせない。機械ものが苦手な小生でも難なく読めた作品。
 是非、ご一読ください。

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