第185話 第三者side

 ―――月日は流れ、ここはとある家のリビング。



「ママ~!」

 そこに、子供部屋から出てきた小さな女の子が、ママと呼んだ女性に抱き付いた。

 その女性は原稿を書いていた手を止めると、

「あらあら、どうしたの?ゆず。」

 柚と呼んだ女の子を抱き上げた。そして自身の膝の上に乗せた。

 柚は女性を見上げると、

「ママ、わたしママのことだいすき!だから、またえほんよんでね!い~~~っぱいよもうね!!」

 と、それはもう可愛らしい笑顔で言った。

 女性は笑って答える。

「そうね、また一緒に絵本を読みましょうか。」

 と。





 その日は、あの時―――あの最後の告白―――と同じく暖かい光が、今度はこの二人を包んでいた。









 Fin.

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本好き少女の恋愛事情 薄紅 サクラ @Ariel191020

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