第184話

 ・・・翔君。

 私は、あなたのおかげでこんなにも笑うことができました。

 とても、とても嬉しいです。




 たくさん、辛いこともあった。


 泣きたいことも、たくさんあった。


 でも―――それすら消えてしまうほどの恋を知った。


 恋を知らなければ、きっとこんな幸せなことも知らなかったと思う。


 恋を知らなければ、きっと辛いことも泣きたいことも知らなかったと思う。


 でも、だからこそ。


 恋をして、本当によかった。


 ・・・そして。


 その恋の相手が貴方で、本当によかった。






(私を好きになってくれて、本当の本当にありがとう………翔君)

 私は声に出さず、彼にお礼を言った。そして、彼と一緒に校舎へと入っていった。

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