第183話

 次の日、学校の玄関に行くとすでに翔君がそこで待っていた。私はかけよると言う。

「おはよう。」

 と。

 すると、翔君も笑って答えてくれる。

「おはよう、桃香。」

 って。




 翔君のおかげで、少し自信がついた。前ほど騒がれることが気にならなくなったし、その分翔君と一緒にいるから癒されてるし。

 そして、少しずつだけど初対面の人に体が震えることがなくなってきた。

 それでもほんの少し震えることがあるみたいで。けれど、それすらも自分の変化だから、とても嬉しくて。

 雪ちゃんとは相変わらず仲良しだ。ときたまに喧嘩はするけれど、すぐに仲直りしてる。

 それからなんと・・・雪ちゃんと氷我君がお付き合いをすることに!雪ちゃんの必死のアタックが項を期したみたい。

 それを雪ちゃんから聞いたとき、私は泣いて祝福した。いつも私の心配をしてくれた雪ちゃん。氷我君と幸せになってほしいな。



 それを思い出した私は、少しだけ思い出し笑いをした。それを見た翔君が、不思議そうに聞いてくる。

「……どうした?」

「ふふっ、ううん。ちょっとだけ、昔のことを思い出してたの。」

「そっか。きっと、すごくいい思い出なんだよな。そうやって笑うってことはさ。」

「うん、そうだね。」


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