Google Map、Googleストリートビューと共に読もう。

甲府盆地の蒼天に飛ぶプロペラ機が瞼に浮かぶ……。

 ――舞台となる山梨県営玉幡飛行場ってだいたいどんなところ?


 山梨県の地理に余り詳しくない人は真っ先に「山梨 玉幡飛行場」のキーワードでググってみるといいと思います。

 http://airfield-search2.blog.so-net.ne.jp/yamanashi-airfield

(とりさんのblog 空港探索・2、より甲府飛行場)

 物語の舞台となる飛行場はかつて存在したこの甲府飛行場がモデルになったものだと思われます。
 今でこそ山梨には日本航空学園か韮崎滑空場ぐらいしかまともな飛行場らしきものが残っていませんが、第二次世界大戦頃には山梨に大きな飛行場が存在していました。それがblogの先にもある甲府飛行場です。
 釜無川の横にあるとされる玉幡飛行場がたぶんこれだとすると、作中に出てくる地名や地所などはほとんど実在するランドマークと一致します。筆者はとんでもなく綿密な取材をしてこの作品を書いたのではないかと伺わせます。

 釜無川の堤防の坂道を渡り鏡中条橋(1-1 曙光行路 http://bit.ly/2F5Qp3I)とかGoogleストリートビューを使って実際の風景と照らし合わせてみると一目瞭然でしょう。筆者は驚くほど正確にカメラワークを意識して精密に物語を描いています。
 GoogleMapから周囲の山の位置、飛行場の位置などを確認しながら照らし合わせて読んでいくとステラの飛行ルート、離発着進入ルートなどもかなり容易に想像できます。これも楽しい。
 これだけでも楽しいのに主人公一家の天羽家の人々の生き生きとした姿が目に浮かぶかのような描写はとても一言では表せません。
 取材費なんかも相当なレベルでかかったんじゃ無いだろうかと思える作品なので「コレ、Webでタダで読ませて貰っていいんだろうか?」とか思ってしまう作品でした。