9.30


もう動かないと思ってた

時計の針は動き出し

たくさんの時を刻み

またカチリと音を立て

時を止めた


動いてると思ってた

ちゃんと刻めてると思ってた

無機質な感触に

痛感させられる

もう動かないのだと


あの時のまま

針は正直に指す

幸せだった時間を


あの温かさを抱きしめて


雪に埋もれた



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

徒然なるままに 白黒ぱんだ @pandaaa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る