第1話〜転生〜

 《魂転生であるため、転生負荷に耐えられる魂へ

 と強化します。しばらくお待ちください》


 いやいやいや、待ってくれよ。魂転生?え、俺転生しちゃうの?あ、やっぱり俺は死んだのか…。まあ前世に未練があるわけじゃ無いから良いんだけどね。

 まさか異世界へ行けちゃうのかな?


 《はい。惑星名 地球 と繋がる異世界〜アトラス〜

 へと転生されます。そこは地球とは違い、科学とい

 う概念は無く、魔導により文明が進んだ世界です。

 地球では確認されていない 元素〜魔力元素〜によ

 り大気が構成されています。》


 ほほう?つまりは科学の進んだ世界では確認されなかった、新しい空気中の元素が異世界では発見されたと。それをもとに、魔法とか使っちゃたりするのかな?

 あ、でも待てよ。酸素はあるんですかね?


 《はい。その認識で間違いはありません。

 酸素はあります。地球にある元素に、魔力元素が追

 加したという認識が正しいでしょう。》


 把握。俺は臨機応変で、物分かりのいい奴だからな。こういうことは大抵、すぐ分かってしまうのだよ!

 まあ、気持ち悪い自画自賛は置いといて…。魔法が使えるなら、異世界特有のスキルというものはあるんですか?


 《はい。あります。》


 あと、俺の魂変態はどのくらいの時間がかかるのでしょうか。


 《ここでは時間という概念はありません。しかし、

 あなたの体内時計を参考に、あと30分程になりま

 す。》


 30分か…。その間に、できる限りの質問をさせてもらおう。

 まずは異世界の種族についてだ。


 《アトラスに存在する種族は1001種族になりま

 す。アトラスの5分の1程度を占めている 人族。そ

 れ以外を総称して 魔族 と呼びます。》


 アバウト過ぎだろ…。人族以外を魔族って…。あなたが説明するのが面倒くさいだけでは?


 《私には面倒くさいという概念はありません。

 そもそも感情がありません。アトラスでの一般認識

 に基づいた結果です。》


 あらそうですかい。でも、1001種族って半端ですね。まるで新しく追加された、みたいな。


 《いいえ。これから追加されます。含め、1001種族

 です。》


 俺のこと?


 《はい。あなたの考えに基づき、種族変更が行われ

 ました。それにより、新種族〜非人魔族ジョーカー〜となりました。

 よって1000種族に追加され、世界の種族は1001種族

 になりました。》


 ジョーカーか。厨二心をくすぐる、良い名前だな!魔法の存在する世界なんだ。俺がジョーカーだ!とか言っても、白い目で見られることは無かろう。ワクワクしてきた。

 さて、次はスキルを説明してもらおう。スキルに種類はあるんですかね?


 《はい。スキルには、全てのものが手にする事ので

 きる【普通スキルノーマルスキル】と、

特殊スキルスペシャルスキル】があります。

 その他に、一つの種族のみが得ることのできる

【種族スキル】

 自身を超越し、枠から外れたもののみが得ることの

 できる【神スキルゴッドスキル】があります》


神スキルゴッドスキル】…かっけぇぇえ!そんなものがあるのか!是非とも欲しいな…。名前からして無理そうだけど。

 しかし、気になるのがあったな。【種族スキル】だっけか。ある種族のみがゲッチュできるスキルか。俺もあるのかな?


 《はい。魂名 高木颯太 には【種族スキル】〈乱流〉が確認できます。》


 え、〈乱流〉?何それ地味な名前だな。何が出来るんだ?


 〈理解不能、説明不能。〉


 は?スキルをくれるのって、あなたじゃないの?


 《いいえ。私は受け渡し人です。そのような事は

 できません。》


 そうなのか。え、あんた人だったのか!?


 《いいえ。あなたの脳より、一番近く、分かりやす

 い単語を選ばせていただきました。》


 お気遣いありがとうございます。あなたについては、よくわからない人(?)でいいや。

 この話は終わりとして、俺は他にもスキルを持ってるんですか?


 《はい。【特殊スキルスペシャルスキル

 〈並列思考〉〈超記憶〉〈成長加速〉がありま

 す。》


 なんか凄そうなのがあるな。説明を聞きたいところだけど、30分経ちそうだし、このくらいで十分かな。

 色々ありがとうございました。


 《はい。どういたしまして。…魂強化が完了しまし

 た。これより魂転生、器の作成を行います。

 …完了しました。器に魂を合成します。

 …完了しました。大いなる転生を行います。》


 おっとどうやら時間らしい。前世でも寝坊をしたことのない俺の体内時計は完璧だな。

 なんか光が見えてきた。これが転生か…!ワクワクするなぁ。

 待ってろよ、新たな俺!新たな世界!新たな世界へさあ行くぞー!



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 だあー!

「あぁー!」

 うおー!

「ぁあー!」

 俺の名は高木颯太!

「ぁあぁうあぁあうあうあ!」

 才色兼備の超イケメン(になる予定)だ!

「あぁあああうぁぅあぁうあ!」


いや待てよ、なんかおかしい。なんかうまく喋れないんだけど。あ と う しか言えてないぞ。


「性別はありませんが、顔や体つきは可愛らしい男の子ですよ!」

「ありがとうございました。あなたごめんなさいね。後継ぎには出来そうもないわ…」

「何を言っているんだ。良いじゃないか!元々、後継ぎ目当てで産んだんじゃないんだ。なんにせよ、私達の可愛い子供だよ。」

「そうね、ごめんなさい。コロンもごめんなさいね。生まれて早々、辛気臭い面を見してしまって…。初めまして、ママでちゅよー!」

「イケメンパパでちゅよー!」


…そりゃそうだ。転生だもの。赤ん坊が始めに決まってるよな。ていうか、パパさんや。ナルシストやめい。周りが若干引いてるぞ。


その日俺は、コロンとして生まれ変わった。






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異世界転生したら人(仮)でした 三日夜餅 @mikayomoti

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