異世界転生したら人(仮)でした
三日夜餅
序章
第0話〜ポックリ〜
2017年12月9日 俺の名は 高木 颯太。高校2年生のフリーチェリーだ。
チェリー(俺)は、今日の期末考査に絶望を感じている。
はぁ、何でコツコツと毎日勉強してこなかったのか……。過去を悔やむのはテスト後にしろよ……人間とはそういう生き物だろ、しゃーないのよ。
そんな一人問答を、こんな暑苦しい電車の中で繰り返している。
高校生は普通、電車通学だ。社会人と比べて日が浅いため、少しした事でもストレスが溜まる事もある。人によりけりだが。
俺が利用している駅から、学校の駅までは1時間かかる。長い…。
だが、今時はネット小説なるものがあるため、そんな長い時間も小説も読む事で有意義に使えるのだ!一人で自慢気になりながら今日とて異世界モノの小説を読み漁る。
…体感で30分経った頃だろうか。ある異変に気付く。周りがザワザワしているのもそうなのだが、駅に着かないのだ。窓の外を眺めても、景色はいつも通りの見慣れた風景だ。
しかし、駅に着かない、止まらないのだ。駅を通り過ぎてしまう。この電車は各駅停車なのに。
普通、こんな事態があれば、運転士から放送があるはずなのに、それがない。何事もない、いつものように走っている。それが乗客の不安を煽っているのだ。
ん?この駅、さっきも通ったよな?なのに何で、景色が普通なんだ?
確かに景色は変わっているが、通り過ぎる駅が変わらないのだ。事態の異常に初めて焦燥や不安を感じた時、それは起こった。
瞬間、激しい衝撃とともに視界が暗く染まる。
その日、俺たちを乗せた電車は、脱線事故を起こした。
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うぇ〜、身体中が痛……くない?何が起こったんだ?脱線事故か?誰か助けてくれ!!
ー!?声が出ない。そこで初めて、自分の身体の感覚が無いことに気付いた。地面に立っているわけではなく、まるで無重力空間を漂っているよな感じ。
……まさか俺、死んだのか?馬鹿な!!俺はまだ高校生だぞ!?年齢=彼女いない歴のチェリーボーイだぞ!?
くっそ…息子を使わないまま、死ぬなんて……そんな事あっていいはずがない。息子も俺も今、深い悲しみと絶望に襲われている。そんな息子の感覚も、今はもう無いのだが。
……来世ってあんのかな。あるんなら息子いらねぇなぁ。どうせ碌な人間(男)になりそうもないし……、でも女も生理とかで大変そうだから嫌だな……。
そんなくだらない事を考え始めた時だ。
《惑星名 地球 からの魂転生を確認。同時に、転生者の要望により、性別の無い人体を作成。種族を人族としました。》
どこからともなく、俺のsiriの声が聞こえてきた。
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