基本的に登場人物が気持ちのいい人ばかりです。
一癖も二癖もあるんだけど、他者との境界をわきまえた上で、丁度よい距離感で生きている。
だから、読んでいてストレスがありません。
まあ、ラスボスは最低ですけど。
そして、戦いのシーンは疾走感とテンポが素晴らしくて、手に汗握ります。
文章なのに目の前にその場面が浮き上がってきます。
一種のVRですね。
第一話がゴシックホラーチックなのですが、そこでブラウザバックはもったいない。
その後の数話の展開もちょっとゆっくり目なのですが、本編が始まるとギアが入ります。
そして、春夏秋冬と季節が進むにつれて、ぎゅおんとアクセルが入ったらもう目が離せません。
物語には必ず終わりがある。それがハッピーなのかバッドなのか、はたまたただなんとなくなのか。それでもエンディングというものが存在する。
この物語は、異世界を舞台に繰り広げられる主人公たちの、切り取られた一年間である。最高の一年が幕を開け、そして最高の一年が幕をおろした。
私はこんなにも、物語が終わってしまう事を悲しんだ事はない。
物語のまだ中盤にも関わらず、「ああ、この話は終わってしまうんだなぁ」としんみりした覚えがある。
それくらい、この切り取られた日常は、柔らかい光を放ち貴方の心に染み入る事だろう。
この一年間に登場した様々な登場人物――特にヨル、ヒカリ、ジンゴ、アヤ。
私は絶対に忘れない。
私はこの物語を忘れたりしない。
俺が真っ先にこの作品について言いたいのは、この作品に出ているキャラは紛れもない人間だってことだ!ヨルとヒカリにジンゴでアヤ!主要メンバーの四人を初めとして、多数登場する脇役の人達が実に人間臭い!それぞれの欠点も長所も!(春の話に見られた村社会の空気)人間の美点も醜さも!(冬の話でこれが際立ってます。最新話は特に美しさをたくさん見ました!)お約束的な奴や全く異端な奴もいる!(秋のお話のお父様や獣人がいいキャラしてます)人間らしさをしっかり書けた作品、勉強にすらなると思うぜ!
失礼しました。
通常作品というものは時間経過しない世界(サザエさんなどがそうですね)が大半ですが、こちらの作品はします。春夏秋冬、色んな季節に移り変わっていく。そのため人間関係や情勢など変化していく様がありありと書かれています。これが作品に生きるキャラをさらにリアリティー溢れるものにしています。珍しくも時代を生きている無名の人々までしっかり書いているこちらの作品、是非とも見てください。
なんだ、これ。面白いです。語彙力なくすレベルで面白いです。ここではとてもまとめきれないほど見どころ盛りだくさんです。
強いて一つ取り上げるなら。和洋折衷の舞台設定! すんばらしいです。聖騎士とかって西洋っぽいのに、名前は平安風。(地名がまさにヘイアン)
魔法論理に陰陽五行説を取り入れてるのがまたすんばらしい! すごい発想じゃありません? 魔法と言えば四大元素説じゃないですか? なのにここに東洋思想! 素晴らしいです。ちゃんぽんというわけじゃなくて、文化体系がかみ合ってるこの設定。凄いです。よく考えられてます。私もこういう発想力が欲しいです……。