チートな暗殺者
「ここまでで大丈夫です!ありがとうございました!」
「いえ、無事について良かったです。ではさようなら。」
グレイは護衛を終え、帰ろうとしたが異変を感じた。
グレイは高ランクなだけあって使えるスキルも多かった、そのお陰で敵感知のスキルも持っている。
まぁグレイに限っては使えないスキルの方が少ないのだが…。
「また、めんどくさい事ですか…。」
それは明らかに多い人数の隊列がメリスへ向かっているということだ。
「ちょっと近付いてみますかね。」
そういったグレイ本人はもう既にそこにはいなかった。
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「よし!今からメリスを落とす!さすれば我が帝国軍の勝利の第一歩となる!」
「「「おおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」」」
帝国の騎士は皆が勝利は目前と確信をしていた。
なぜならここをやれば冒険者共が一気に消え、こちらの有利になる、だからこそ帝国の最強の魔剣士の側近3人が送られてきた。
その三人の実力は計り知れないものだった、剣士、魔法使い、そして魔剣士、三人はそれぞれ武器が異なり、最も強いのが最強の魔剣士が直々に指導したと言う魔剣士ルーシー・アダマント、そして二の実力を持つ剣士ラスカス・グランテス、そして三番と言うが常人では放てないような威力の魔法を連発して放てるメイ・ランゲスト、その三人がいれば100パーセントの勝率だ。
だが、それをも凌駕するほどの力を持っているものがいるなんて誰も想像なんてつかなかった。
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「そうですか、これがルワンダ王の言っていた帝国の侵略計画ですか…。」
黒のマントを羽織った男がその一部始終を見ていた。
ルワンダはメリスがある王国のことだ、そしてその王こそがルワンダ王である。
「これは仕事じゃないですけど緊急事態ですからね、しょうがない。切り替えていきますか。」
そして男はごく普通のシンプルナイフを抜き隊列の後方へ飛び込んだ。
「な、なんだこいグハッ!」
「やばいぞ!なんだ!」
そして後方の部隊が抵抗するもあっという間に血の海となり、ナイフは黒から朱へと変わった。
「どうしたんだ!」
ルーシーも流石に異変に気付き、従者の中年の男へ問う。
「じ、実は、謎の男が現れ」
突如血飛沫がルーシーの顔へ飛び跳ねる。
そして目の前には首を切られた従者の後ろに謎のローブの男がいた。
「き、貴様!何者だ!」
ルーシーは反射的に後ろへ飛び跳ねた。
「名乗り遅れてすみません、私は朱の刃と言われている暗殺者です、今回は、まぁ仕事ではないので殺人鬼?ですかね?」
ローブのせいで顔は見えないがここまで気配を消せる者はいない。
ルーシーの周りに部隊が集まる…その数は50対1だ。
ルーシーは周りを見回す。
「仲間はいないようだな?何しにここへ来た!王国の者か!」
「まぁ、そんなものですかね…要件は貴方たちに撤退をお願いしたいのですが。」
たった一人でそんなこと出来るわけないだろ、ははは
等と笑えるものは一人もいなかった。
それは謎のローブの男から発せられる殺気というものが有り得ないほどのものだからだ。
「それはできぬ!そして一人でなにができる、と言いたいところだが、そなたはなかなかの者と見た、どうだこちらへ入らぬか?」
「ルーシー様気は確かですか!?この男は何十人も殺しました!流石にそれは!」
「少しいいですか?貴方達は勘違いしていますよ。」
「何がだ?」
「貴方たちに残された選択は私を仲間に引き入れることではなく、殺されるか、撤退するか、私の犬になるかですよ?」
「ふざけるな!皆の者こいつを殺せ!決して油断するな!こいつは危険だ!」
「「「おおおぉぉぉ!!!!!!!!」」」
「やれやれ…簡単には終わらないね、じゃあ、皆殺しかな? 」
謎のローブの男は指をパチンと鳴らすと途端に側近の三人を除く兵の首が飛んだ。
「な、なにを…。」
「てめぇ!何しやがった!」
「…ヒッ!」
驚くルーシー、激昂するラスカス、怯えるメイ…無様なものだ…この程度で王国最強の魔剣士の側近だって?
「まずはうるさいゴリラから鎮圧しましょうか。」
剣士は剣を抜く、魔法使いはメイは魔法を放つ準備をする、ルーシーはいつでも戦える準備をする。
そして一斉攻撃を仕掛けてきた…が、剣士の腹は裂け、メイの足は切られ、ルーシーの魔剣が飛んだ。
「あぁぁぁぁ!!!」
剣士はすぐに息絶えた。
メイは絶叫をした、深く切られた訳では無いが自分が傷付いた経験は無かったのだろう、転がり回っていた。
そしてルーシーはその場にへたり込むという面白くない反応を示した。
「つまらない…。」
謎の男は呆れた声で呟いた。
チートな暗殺者は鬼畜です 懺悔 @confession
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