チートな暗殺者は鬼畜です
懺悔
物語の始まり
「これで最後ですか。」
月の光で照らされたミニアドという通りに真っ赤に染まったシンプルなナイフを持ちローブを深く被った謎の男が立っていた。
そしてその男の周りには六人程の死体が転がっていた。
「今日の仕事も終わりですね」
男はそう言ってジャンプすると常人では有り得ないほどの距離を飛び、夜の闇に溶け込んでいった。
「おい!聞いたか、昨日も朱の刃あかのやいばが出たんだとよ!」
いつものようにどこのギルドも朱の刃の話でいっぱいだった。
「あぁ、知ってるぜなんでも悪徳ギルドだったリーダーと幹部共がミニアド通りで殺されてたんだろ?もう貼り付けられてるぜ。」
そう言って中年の男はギルドの情報板の方を指差す。
ここはグルムという世界…異世界だ。
グルムには魔法・スキル・ステータスがある。
そしてそのグルムのメリスという街ではあることが有名になっている。
それは朱の刃という謎の男だ。
もちろんギルドが協力して捕らえるという事になり、依頼主のフリをし、呼び出して囲んだが返り討ちに遭い20人中16人が殺され、撤退することになってしまい、その際、魔法を打ち込んだところナイフで弾かれるという前代未聞の事態になった。
魔法のスピードなど計り知れないものを極普通のナイフで防がれてしまったのだ、なのでそれ以降はギルドも手を出せなくなってしまった
必ず朱の刃は朱の刃と分かる痕跡を残す、それは死体付近に必ず血で描かれた花があるからだ。
そして朱の刃は暗殺者ということがわかっている、勿論依頼した人も本人の顔は知らない。
性別は依頼主が声を聞いて男だとわかったと言うだけだ。
そして今は皆がその正体を調べている。
するとある青年がギルドの受付へ走っていく。
その青年の名はグレイ・ムルア、いつもニコニコしていて愛嬌のある青年でみんなと仲がいい、極普通の青年だ。
そしてランクはブロンズ、シルバー、ゴールド、ルビー、サファイア、シークレットの中のルビー、ある程度の高ランクメンバーだ。
「すみません、ガーナさん!今日もルビーレベルのクエストをお願いします。」
「分かりました、少し待っててくださいね。」
グレイが話しかけたのはブロンド髪の受付嬢のガーナ・ウィルネ、まぁ世間一般で言う美人の受付嬢だ。
「今日もグレイは頑張り屋さんだな、もう少しでシークレットだな!」
話しかけてきたのがグリフィス・ローグ、ゴールドランクの冒険者でいつも話しかけてくれる人だ。
「いえいえ、そんなことないですよ、ローグさん。はは」
毎日必ずクエスト受注しているからか、全員と顔見知りだ、そして頑張り屋のグレイを知らない者はいない程だ。
「今日も護衛系のクエストにしますか?」
「そうですね、護衛系でお願いします。」
「おいおい、グレイ、そろそろ討伐系じゃないと上がらないんじゃないんか?」
そう、グレイは討伐クエストを受けたことがない。
「ちょっと僕はモンスターを殺せませんから…。」
「そうだったな…まぁ頑張れ!お前なら大丈夫、護衛に関してはシークレットクラスだからな!」
「ちょっとあんまり嬉しくない気が…。」
「ははは!!行ってこい!」
「行ってらっしゃい!気を付けてくださいね!」
「はーい!」
みんなに見送られながら、グレイは今日もクエストに向かった。
「はぁ、疲れる。」
息を吐いた。
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