最新に追いついたら更新を待たなくてはいけないのが残酷すぎる。

プロローグを読んだ時に「なるほど、異世界転生ものの氾濫をメタフィクションにするとこうなるのか」としたり顔をしたものだが、そこに本質は全くなかった。これは十数年前の月曜日18時の12chであり、今時の日曜日7時の5chである。

しかし、そこに児童向けの文章はなく、作中で「真実」が明かされる度に、それまでに描写されてきたことが何を意味しているのか結びつく。しかし突飛に言外から飛び込んでくるような説明は無く、膝を打つ他ならない説得力のある組み立て方をされている。

どうか「食傷気味」と片付けて素通りする前に、プロローグだけでも読んでほしい。そして波長があったならば、読み進めて最新に追いついて、待たなければならない残酷さに一緒に膝をついてほしい。

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