異世界転生ホビー販促小説とでも呼ぶべきか

 超世界転生の筐体があったらしたくなる。そんな小説です。
 異世界転生を娯楽として消費する世界。
 今では数多くみられるようになった異世界転生小説とそれらを娯楽と消費する人たちへの風刺と思いきや、この話は素直なホビー販促小説とでもいうべき作品なのだ。
 最初は王道から少し外れた世界に絶望したクール系主人公と見せかけて熱い魂と希望を胸に生きていることが判明する主人公シト。
 そしてホビーであるはずの異世界転生で現実に牙をむこうとする悪しき転生者たち。
 そうだ、この光景を我々はコ◎コ◎コミックやなんやで見たはずなのだ。
 小説の技術読本でも語られ、多くの人が至ることのできない新しい組み合わせにして見慣れた王道という地平に、この作品は到達したと言っていいと思う。
 そして、これからの展開もまだまだ目が離せない。
 これは凄い作品に出会ったと思います。