統合終幕

あれから1カ月ほどが経過した。

山村は今までと変わらぬ日常を過ごし幼馴染や友達と学んだり遊んだりして楽しい日々を過ごしていた。

一方リアムは財閥令嬢と結婚が決まり新たな人生へと引き返せぬ道を一歩ずつ歩み始めていた。

ここまでは彼らの物語。

彼らが知りうる自らの物語。

ここからは彼らが引き起こす物語

彼らが知りえない別の物語。

彼らは知るだろう自らの数奇な運命を。

たった一人の行動が世界を大きく変える…


皇帝暗殺未遂から一カ月ほどが経ち再び暗殺を企てたとして中華系アメリカ人が逮捕された。

その結果日本帝国政府はアメリカ合衆国の差し金と断定し合衆国政府を糾弾した。

しかし合衆国政府は否定し逮捕された者達の戸籍などの情報は所持してないと弁解した。

その後合衆国政府は日本の内政不安による身勝手な当て付けだとして帝国政府を糾弾し返した。

その後帝国政府の行ったいくつかの外交政策も無駄に終わり合衆国政府は頑なにレライの筋書き通り戦争への道を目指し続けた。

よって皇帝暗殺未遂から1カ月半後日米は戦争の火蓋を切って落とした。

日本帝国枢密院帝国政府は大東亜連合での承認を経て統一海軍を中心とした海軍戦力による諸島や本土の防衛を決め込んだ。

民間人にはギリギリになって通達された。

戦争なんて止められない。

いくら自分らが戦争をしたくなくても、平和を望んでいたとしても一部の権力者の考え一つで戦争なんて引き起こされる。

それはもちろん自分らの国の権力者の考えに左右されるだけじゃない、相手の国の指導者、権力者、裏の支配者などの考えに左右されることが大多数だろう。

軍を持たなければ、武力が無ければ、挑発しなければ戦争にならないなんていう「なければ論」なんて糞ほどに役に立たない。

どんなに戦争を避けようと思って外交をしたとしても結局のところ戦争をしたい人が少なからず居る状況では戦争なんてなくならない。

それだけじゃない、人は生きていく中で他者と競争し争いながら生きている。

人が生きるというのは争うという事。

人という生き物が地球上で我が物顔で堂々と生き続けている限り、人にそれぞれの自己の意思が存在する限り人々は争い続けその先に戦争がある。

世界に転がる陰謀は全部が事実かもしれないし事実じゃないかもしれない。

だがしかし世界で起こることに偶然などという事は無い。

全て計画されたものである事は間違い無いと思って貰っていいと思う。

かのルーズベルト大統領も似たことを言っていた。

今回の戦争の原因はリアムを通して見てきたようにアメリカの裏の支配者であるレライとイユ財閥によるものだった。

いわゆる陰謀によって戦争は起こされた。

これからこの世界はどうなるのか、私は観測していきたい。

この世界の行く末を破滅の時まで…

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戦争と陰謀 桜宮輝仁 @teluhito

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