ある日、降り注いだのは〈異能〉だった。
突如、降り注いだそれによって、人々は異能に目覚め、ロサンゼルスの街の一角は人外魔境の、異形跋扈する街へと変化してしまった。
阿鼻叫喚が溢れるその街に、一人の少女が親友を探して訪れる。
そんな彼女の周りで巻き起こるのは、混沌を煮詰めて固めたようなトラブルばかり。彼女は無事に友人を見つけ出すことができるのか?
人外魔境のカーニバル。アンダーグラウンドへようこそ。
B級ガールズアクションという名が相応しい、最高の配役とアクションチーム。
特攻野郎Aチームや、ワイルドスピードを彷彿させる、最高にハイでクレイジーな連中が、異能の銃弾を辺り一面にお見舞いしていく。
神ヅラした奴が、好き放題やっているその世界に、従ってやるものか。
ぶっ飛んだ連中が、勢いのままに筋書きを覆す。そんなアクション小説だ。
魔都と化したロサンゼルス、『アンダーグラウンド』。その地に生き、身に宿した異能の力で戦う少女たちを描く、ハイテンション・バトルファンタジー。
シャーロットという少女が生き別れた友人を探すため、アンダーグラウンドに降り立つところから物語は始まります。
獣人系、機械系、妖精系、いずれかの系統に異形化した住人たちと、都市にそれをもたらした謎の人物。彼らが日常的に混乱を引き起こす街で、シャーロットが出逢ったのは『正義の味方』と名乗った歳上の女性たちでした。
何もかもがいかれた街で、正義とは何か、何のために闘うのか、——一人の男の気まぐれに翻弄されつつも、彼女たちはそれぞれの『戦う理由』を胸に抱いて駆け抜けていきます。
豪胆ながら脆く、繊細で鮮やかな生き様は、ガラクタのような街で生きる者たちを魅了し、勇気づけ、それによって読み手に感動を与えてもくれるのです。
派手で下品なバトルがどうしようもなく格好いい。
賑やかで破天荒で騒がしい彼女たちの、キメる時はキメる姿がどうしようもなく格好いい。
読んでいて元気を貰える小説です。ぜひ、ご一読くださいな。
当作品は作者様の「格好いいと思えるもの」たとえば、"絶望にぶち当たっても立ち上がる強い意志"などが一例として上がるだろう。それが非常に伝わりやすいものになっている。
そして、それを支えるのは悲壮感や臨場感を増長させる視点のフットワークや複雑な場の雰囲気を伝える多種多様な比喩表現。(HELのところ大好きです)
それらの全てが読み手にフラストレーションを蓄積させ、同時にもっと話を進めたくなる。そしてその途中で一気にこれまでの不満を爆発させることにも成功していると自分は感じました。
"スリルと勇気が溢れる友情劇"
こんなストーリー見てみたいというあなた。絶対見てください。
最後になりましたが、私はこれからも当作品を暖かく見守らせていただきますっ!!