太平の世よりも尊いものはないのかもしれない。

 とある男が争いによって死んだ。彼は閻魔王の待つあの世で恋人と再会すする。地獄でも極楽でも構わない。共にいたいと願う2人に閻魔王はある問いかけをするのだが――

 何といってもオチが戦乱続きだった中国の歴史らしい作品でした。類話はあるのかもしれませんが、こういった終わり方の掌編を読むのは初めてです。平和な世の中はこないかと閻魔王のため息が聞こえてきそうな作品でした。