西部劇の名を借りた新ジャンル登場?

プロローグを開けばそこはまさに「西部劇」の世界。頭に鳴り響くはローハイドのテーマソング。
そう、舞台はまさしく牛を追い一千マイルを旅するカウボーイや賞金首を追うバウンティハンターが跋扈する、誰もが知っている『西部』劇のあの世界。そんな世界に生きる主人公レンに本来この世界で起こるはずのないとんでもない事件が襲いかかる!


というのが掴みの部分なんですがここから展開される物語がもう、どこに行くのか分からない要素満載で目が離せない。
敵かと思った人物が力強い味方だったり、西部劇とは思えない異能を持つキャラが現れたり、年齢不詳のツンデレ少女が現れたり、さらには対地攻撃衛星兵器まで登場する。

そう、この話は西部劇の形を借りた完璧なSF物語。そして異能集団の中で揉まれながら成長していく主人公レンの物語です。

作者様の描く人間味あふれる登場人物も暖かい文体も魅力的。
仕事終わりの疲れた時間に読むと、冒険心を刺激されてワクワクドキドキしながらも文章に癒されます。しかもあちこちに散りばめられてる西部劇のお約束アイテムにいちいち心をくすぐられます。

あとね、深夜に読むのは危険です。しょっちゅう出てくる食事の描写はあまりにも美味しそうで、こんな時間に食べちゃいかんという自制心が崩壊しますから。

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