報復者は、みえる。

ピンクは狂乱

プロローグ 犠牲者は……

 一九九三年のクリスマス。サンタクロースに代わって、あわてんぼうの恐怖の大王が空から落ちてきた。紫色の炎を纏って、この街の全てを焼きはらうために。


 断末魔の叫びさえ許さない巨大な衝撃が天地空の悉くを揺るがし、瞬きするたび死体が増えた。しかし私は死ななかった。


 今となっては、なんとなく分かるよ。死ななかったんじゃなく、生かされたんだって。そう、私はきっと“アレ”に利用されている。


 でもなければ何故、筆を握るよりも早く私の手がこんなにも赤く染まっているのか――――


名古屋ユニバース


報復者は、みえる。

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