LostOil 設定集

山川一

第1項 世界観 基本骨子

石油が枯渇する。その時、現代社会の膨大なエネルギーを支えるためには多大な犠牲を払う必要があるだろう。

実際には石油は枯渇しないのかもしれないが、この世界ではうっかり枯渇してしまった世界を描く。


原発は都道府県に一つずつくらい建設される。電気自動車が足となるところだが、価格も高く小さなコミューターバイクが多くなる。山林は巨大な風力発電機や太陽光パネルのため破壊される。


海には大型風力発電機が浮かび、海底にはおびただしい数の潮力発電機が設置される。時折、風車に鳥が激突して死体を晒し、魚も潮力風車に痛みつけられる。


原発を中心に膨大な電力を社会に供給する電力網はあまりに太く電線として懸架できず地下に埋設される。減少した自動車をカバーするように電車はより細かく通るようになる。


大出力の必要な動力、トラックや建機ではバイオ燃料エンジンが使われる。バイオエタノールのため農業用地は高騰し、成金農家が生まれる。農産物生産とバイオ燃料の生産が少ない土地をとりあう。食料は一回り高騰し、家畜を育てるエサ代も高い。人権団体はバイオ燃料の廃止を叫ぶ。水素はまだ主たる燃料にならない。


人々は既存の機械を電動に改良し、なんとか電気時代に対応しうとする。省エネのため、機械は小型軽量へと進む。


土地を巡る争いが起こる。商もない農地しかなかった小さな村に、大資本が入り、富む。同時に人間関係、地域のしきたり、いろいろなものが少しずつ破壊される。


子供の日常に大きな変化はない。米粒残さずの精神へ回帰し、電動コミューターを乗り回すのがこの時代の子供達だ。


電源は個人と紐付いた鍵と共に管理され、どこでも充電でき、まとめて請求される。


太陽エネルギーを受ける面積が大きな力を持ち、都会から田舎へパワーバランスが移る。同時に中国、アメリカ、ロシアの超大国は核兵器の力を超えてさらに大きな発言力を持つ。大陸では売電が盛んになり、アメリカは大原子力発電帯を形成する。


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