万物に神が宿るだとか、あらゆるものにはその概念を司る神がいる……という感覚って、とても日本っぽくていいですよね。酒の神だとか、木々の精霊なんて概念は世界各国にあると思うのですが、便所の神だとかスマホの神だなんて発想や、それをそれと受け入れる感性は日本人特有かと思います。そう。そんな日本人に生まれたのならこの作品を楽しんでおくべきですよ。せっかくですから。おそらく日本人以外にはこの作品を素直に楽しめないと思いますから。面白いです。オススメします。
世の中で不要になった神が集まるサロンのような場所に、新旧様々な神たちが集まっています。ああ、これ以上は言えない! 読んで!
使われなくなった神様たちの憩いの場。そこでの他愛のない会話、そう思っているととんでもない事件が起こります。最後に一気に事態は急展開、読んだ後あなたも思わず唸ることになるでしょう。
神々が安息を手に入れる施設が舞台。ニホンオオカミの神とドードーの神は、いつか人類の神に抗議しようと話していた。そこに、洗濯板の神がやってきた。そう、ここは、人間に忘れられた神々が集っていたのだ。 そして、新たな神がまたやってきた。彼は若かった。つまり、新型の神だった。それなのに、人間は彼を一度しか使わずに、廃棄したのだ。 さて、彼は何の神だったのか? 人類の休息と安息。神々の休息と安息。 それは互いがもたらすものなのかもしれない。 視点が面白いこの一作。 是非、御一読下さい。