時は平安っぽい時代。源氏物語を大胆にアレンジ。

読んだ事が無くても、源氏物語の名前くらいは知っているという人も多いでしょう。
この物語はそんな源氏物語の主人公、光る君と彼を取り巻く人々のが巻き起こすラブコメディです。

数多の女性と浮名を流す、稀代の女好きである光る君。現在ではバッシング物の彼ですが、時は平安時代。一夫多妻が文化としてあるこの時代では彼の好意も咎められるものではないのです。
それに光る君は惚れっぽいだけの男ではありません。パレス六条平安呼ばれると東京ドーム1.3個分に相当する大きな御殿を建ててはそこに何人もいる奥様方を屋敷に住まわせ、その一人一人をしっかりと愛するという愛多妻家なのです。

ただ、いくら何でもこの多すぎる彼の女好きには浮かない顔をする奥様や、騒ぎ立てるゴシップ誌なんかももちろんいるわけで。
時に光る君の前で修羅場を展開させる奥様方。カプチーノを飲みつつ光る君の女性関係について噂をする女房達SKJ(三人官女)。
光る君に仕え、彼の女性関係に振り回される羽目になる源ちゃんズ(光る君私設管弦楽団)。
魅力的なキャラクターがBarでお酒を飲みながら恋愛観について語ったり、週刊誌を読みながら恋バナで盛り上がる姿は「平安時代なのに?」と思わずツッコみながらもそのギャップが面白く、次は何が起きるのかつい気になってしまいます。

源氏物語に興味はあるけど、堅苦しいイメージがあって中々読めないと言う人こそ、ぜひこの作品を読んでみてください。
修羅場も恋バナも苦労話も、クスリと笑えて楽しめるお話となっています。

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