お茶をひく=暇そうにしている…訳ではない
お茶をひくの【ひく】は、お茶を【挽く】。
元々は、夜の水商売で働く女性の、昼間の休息の時間を有効活用するために、少しでも生活力を付けるための【副業】、もしくは別業種への転職を目指してのスキルアップを指していたとされる。
正確には、お
水商売だからと云って、短時間に効率良く高収入なタイパの良い仕事と思われがちだが、その旬は極限られている。
旬は、限られた時にその価値(栄養など)が高まる時期。
その日、その時の、最も価値が上がる時に、最大限駆使してこそ。タイパ効率が上がる。今で言う株取引に近い感覚かなと。
高収入や利益はその時だけに絞り込まれる訳で、その時以外はタイパや諸々の諸事情により、収支が著しく差が生じる。
雨風や諸々の諸事情によって、客足は左右されやすい業界であり、収入もその時々に左右される。
思わぬ時に、思わぬ形で、仕事を休まざるを得ずに余暇を過ごさざるを得なくなる。その時の収入や利益は皆無となるわけです。
その為に、暇な時に、お茶を挽く。
当時のお茶の流通事情を考えると、品質は今のように一定化してはいない。産地がそれぞれに、それぞれの製法で作られた物を自分で仕入れ、自身の感覚で調合して、納得するまでのこだわりが、贔屓に繋がる。
細かく挽くために、時間をかけて、丹念に幾度も挽き、元々のお茶葉を煎れた時とは全く違う風味に。自分だけの好みを。
茶葉を種類ごとに、目の異なる臼で段階的に挽き、その粉末にまで細かくなった茶葉をさらに乳鉢で微粉末に、それぞれを調合して、自分だけのブレンドでブランドを確立する。
そこに自分自身のこだわり(調合=ブレンド)と、お手製という名のブランドを添えて、今で言う推し活をしてもらうための道具として、贔屓してくれるお相手に買い取ってもらうためにお茶を挽いていたそうな。
いわゆる、お店に支払われるサービスの代金とは別の、自身に対しての
手作りのお菓子とまではいかないが、お抹茶をブレンドする事で、今で言うブロマイド写真のような扱いだったと思われる。
お茶がなくなる頃に、またお逢いしましょう。無くなる前に思い出してもらえるように。
その当時の抹茶製造業の手間隙は、筆舌しがたく。
現代のように、環境整備され機械化されているわけではない時代に、風や塵が入らないように湿度管理が難しい部屋にこもり、延々と臼で茶葉を挽き、細かくなった茶葉をさらに細かく、更に更に細かく挽く。
その繰り返しなされた物が、抹茶として流通する。
その手間隙の対価が、お茶を挽く対価に盛り込まれている。
それが今や、お茶をひく =暇そうにしている、とされている。
本来は、お茶を挽くのは、する事が【ない】のではなく、生活力を付けるために見えないところで、華やかな魅せる仕事柄からはかけ離れた、魅せることのない手間隙を惜しまない事。
色々と知る内に思ったことは、お茶を挽くとは、
ポイ活も、ある意味ではお茶を挽く事でもあるかな?
タイパ効率は悪いと思いますけど。やらないよりは、やれることをする、それもお茶を挽くに繋がるかなと。
見えるところだけが、魅せるところが全てではなく、見せないところで見えざる努力が、お茶を挽く。
実は、それは・・・そんなバナナ!? トータス @tortoise
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