第6話最初の国と赤ん坊2
知らない人の家に不法侵入したら、犬耳つけた赤ん坊見つけました。
えっなになに?お前何言ってんだって?犬耳つけたケモミミ赤ちゃんなんているはずないだろって?そんなのアニメの中にしかいないって?
あぁ、そうだな。俺もそう思う。
でもね、現実に、、、、目の前にいるんですよ。
とにかく、今まであったこといったん整理しよう。
家で小説読んでた
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へんな空間に落とされた
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へんなジジイに死刑先行された
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ある時代を救えと言われた
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魔法(スキル)もらった
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タイムトラベルで畑に落とされた。
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家を見つけて不法侵入した
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獣耳赤ちゃん見つけた ←今ここ
うん、我ながらぶっ飛んでんな。マジで意味わからん。
そういえば、くそじじいことルークタムが多種族がどうやらこうやら言ってたな。その中に獣人族ってのがいたはず。もしかしてこの子がそうなのか?
俺はもう一度乳母車の中の赤ん坊を見た。ピンっと立った耳はもう言い逃れができないほどに主張している。
確か、この時代って種族間で争ってるんだっけ?
んで、人族である俺は、獣人族の家に勝手に入っていて、なおかつその家の赤ん坊と一緒にいる。
、、、、、、、、、、これってやばくない?、、、、、、、
絶対やばいよな!?敵である人間が勝手に家に侵入して、ましてや自分の大事な赤ん坊と一緒にいる。この場を見られたら絶対誘拐犯だと思われる!!
それはやばい、一刻も早くここ「「ただいまぁ〜〜!」」から出ないと、、、、
あっ終わった。
家の主が帰ってきちゃった。
「あぁ、私の可愛い、ルルちゃん!ママが帰ってきたわよぉ〜!」
「こら、セルフィそんな大きな声出すな。ルルが起きたらどうすんだ。」
ガチャっ、、、「「えっ。。?」」
考える時間を俺に与える暇もなく、赤ん坊の両親が部屋に入ってきた。
「あっ、、いや、俺は別に、、、その、、ですね、、決して怪しいものではなくて、、ただここがどこなのか、、聞きたいだけ、、で、、、」
「こんのぉぉぉぉぉ誘拐犯ンンンンンンンンン!!私の可愛いルルに何しタァァァァァァァ!!」
やっぱそうなるよね、母親むっちゃ切れてます。
父親は怒鳴ってこないけど、むっちゃ睨んでる。
どっちも超怖いんですけど、、、、、
いや、そんなことよりとにかく逃げねば!!
「ご、ご、ご、ごめんなさいーーーー!!」
一応謝罪の言葉を入れて、俺は赤ん坊の両親がいる反対側の扉から飛び出て、一心不乱に逃げた。それはもう今までの人生で一番早かったのではないかというくらいに。
「フゥ〜、なんとか生きてるな。絶対死ぬと思ったよ。」
俺はあの後、無我夢中に走り続けた。止まったらもしかしたら追いかけてくるかもという恐怖から一切足を休めることはなかった。そのおかげで、気付いたら畑から抜け出しており目の前の大きな森を見つけることができた。
「とにかくあの家はもう無理だ。ってかよ、なんで一番最初に人族じゃなく獣人族の近くに落とすかなぁ。無理ゲーすぎるだろ。物事には順番ってのがあるのによぉ。とにかく、目の前には森がある。さすがに腹も減ってるし、果物か何かは見つかるだろ。」
俺は文句をたれながら、森に入ろうとすると前方から何か近づいてくる。
もしかしたら、また獣人族かと思い、とりあえずばれないように身を隠した。
徐々に近づいてきて、三人組の人影が見えてきた。
獣人族でないならもしかしたら人族かもと淡い期待を持ったが、彼らは深いフードを被っており顔も見えない。獣人族か人族か確認のしようがなかった。
『仕方ない。ここはリスクを犯すより、隠れて待ったほうがいいな。』
三人組は喋っているが小さすぎて内容を聞き取ることができなかったが、「獣人族の小屋」という単語だけ、聞き取ることができた。
『獣人族の小屋って俺がさっきまでいたとこだよな?そこに向かってるって考えれば彼らは獣人族だ。よかった、隠れてて』
人族ではなかったが、身の危険がなかったことに安堵した。
彼らが見えなくなるまで俺は姿を隠し、ようやく見えなくなってから俺は隠れるのをやめた。
「ふぅ、とりあえず、危険はなくなったし、森に入ってみるかぁ。もしかしたら本当に弱い敵を奇跡的に倒してフードを手に入れれるかもしれないからな。」
俺はかつて馬鹿にした相棒のゴム鉄砲を携えて、森の中に入った。
結論から言おう。散々な結果だった。
まず森は薄暗くて迷路だった。道は途中でわからなくなるし、食べ物なんて探すこともできない。ましてや突然エンカウントしたイノシシ型の魔物なんて強すぎだろ。ゴム鉄砲乱射してもけろっとしてやがった。マジで使えないこの武器。
さらにはやっとの思いで見つけたと思ったキノコ食べたらなんかビリビリ痺れるなって思って真実の扉開いたら「状態異常:麻痺」なんて書いてあるし、もう最悪だよ。
でも一つだけ進歩があった。
ゴム鉄砲のゴムって取り外せるんだな。それにこいつものすごい伸びる。確か魔力が微量備わってるってことだからある程度頑丈だしな。
俺はこれで一つの作戦を思いついたのである。
このゴム使って罠作っちゃえばいいじゃん。それで生き物でも捕まえれたら俺は生き延びれる!
名付けて「輪ゴム罠に魔物はめちゃおう作戦!!」
さっそく取り掛かろうかな!俺は意気揚々と作業に取り掛かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
時を同じくして獣人族の小屋
「よかったぁぁぁぁぁぁ、この子が無事でぇ、、」
まさか私たちが狩りに出かけている間に誘拐犯が来るなんて思っていなかったわ。今までこんな辺境の家に訪ねてくる人なんて私たちの友達しかいなかったもん。今回は何もなかったからよかったけど、もうなこと起こらないように気をつけないとね。
「ほら、セルフィ。ずっとルルに頬ずりしてたらルルが苦しがってるよ。さぁご飯でも作ろう。」
夫のユークが私とルルのスキンシップにちゃちゃを入れてくる。
「もう、あなたはもっと心配しなさいよ!この子の危機だったんだよ!」
「あぁ、わかってるよ。だからもっと気をつけないとダメだな。」
「本当にわかってる!?」
「わかってるよ。でも、ルルのご飯も作んないといけないしね。」
「ムゥー、わかった。」
私はユークと一緒に私たちとルルのご飯を作りに行った。
食卓に、出来上がった料理を並べ終わり、席に着く。
ルルにはさっきご飯を食べさせて、今は眠っている。
私たちも早く熱々のまま美味しいご飯を食べよう。
今日は森で狩った牛型の魔物「モーグ」のステーキと我が家の畑でできた小麦で作ったパンに、シチューだ。
うん、我ながら良い出来た。ユークも満足そうに食べている。
「そういえばなんだけど、お昼に見たあの誘拐犯何が目的で僕たちの家に入ったんだろうな。家のもの何も奪われていないしい、ルルも何もされてないしね。」
私たちは誘拐犯を追い払った後、一応家のものが奪われていないか確認したがあさられた形跡すらなかったのだ。
「どうせ、盗む前に私たちが帰って来たのよ」
「でも、それならおかしいんだ。普通僕たち以外の人がルルに近づいたら泣き叫ぶと思うんだ。でもルルは、どっちかというと笑ってたよね?」
たしかに、獣人族の友達ですら泣かれていたのにましてや人族に泣かないなんておかしい話だ。
でも、「それも不思議だけど、とりあえずはちゃんと気をつけなきゃいけないわよ。その疑問は不安要素を取り除いてからでいいわ。」
「まぁ、たしかにそうだね」
ユークは昔から細かいことによく目がいく。そのおかげで昔から何度も助けられたわ。
でもいまはそれよりもすることがある。
「とにかく、今日は色々とつかれたわ。そろそろ寝ましょう。」
「そうだね」
もうルルに怖い思いはさせないわ。
私は心の中で誓う。1日の疲れがすぐに私を睡魔の世界に落としていく。
『おやすみ、ルル。絶対私たちが守るから』
何かが騒がしい。
ルルが泣いている?
夜泣きしたのかな。
私は眠い目をこすりながら体を起こす。
「んぅ 、、、どうしたの、セルフィ?」
私が動いたことでユークを起こしてしまった
「ルルが、、夜泣きしたみたい。ちょっと行ってくるね」
そう言って、ルルの部屋に向かった。
ルルはあまり夜泣きしないから、少し珍しいなって思いながら部屋を開けたら、私は愕然とした。
見知らぬフードを被った三人のうち一人がルルを抱き上げている。
私はまだ冷めきっていない脳と目の前で起きていることが衝撃すぎてすぐに考えがまとまらない。
でも一つわかったのは「こいつらは誘拐犯だ」ということ。
「ちっ起きてきたよ。さっさと逃げようぜ」
「しっしっし、赤ん坊はもらってくよぉ」
「、、、」
「ちょっ、、、、まてっ!!!」
私はめいいっぱい手を伸ばしてルルを取り返そうと手を伸ばした。
しかし、後一歩のところで敵は窓から逃げていく。
「あぁ、、ルル、ルル、、、ルルーーー!!!!」
私はその場に倒れこんだ。
この騒動に気づいたユークが寝室から慌てて来て、私を抱きかかえて私を呼んでいる
「、、ルフィー、、どう、、た!?なにが、、、った!!」
しかし、私はここで記憶が途絶えた。
「しっしっし、うまく言ったぜ」
フードを被った集団の小さな男が君悪く笑いながら話す。
「そうだな、早いとここいつを連れて国に戻ろう。」
「、、、、」
「「お前は何か喋ろよ!」」
フードの集団がフードを取る。
彼らは人族であった。
「獣人族赤ん坊は高く売れる。しっしっし、これで俺らも貴族の仲間入りだ」
「あとはこの森を抜けるだけだな。きをつけていこうぜ
「、、、、、」
「「だから喋れって!!」」
彼らは意気揚々と森の中に入って行った。
「なかなか、罠にかかんないもんだなぁ。」
俺は大型のイノシシがかかってもいいように罠を三つしかけていた。果物を探している最中にいろんなバフがつけれるキノコも拾って来た。そのキノコの胞子で作った罠によって罠にかかった獲物は即座に深い眠りに落とされるという寸法だ。
ん?どうしてそんなキノコ知ってるかって?
それは片っ端からキノコ食べまくって実証済みだからである。いやー、まじで死にそうだった。
「とにかく、これで完璧なはず。当分はこのリンゴみたいな果物でどうにかして、ゆっくり罠にかかるまで待とうかな」
それまで一眠りでもしよう。
頼むぞ、俺の最高傑作
どーーーーーんっ!!
俺は、大きな音に気づいて一気に目を覚ました。
来た、、!!!
よしっ成功だ!!
これでやっと一歩前進できる。さぁ何が捕まったかなぁ。
、、、、、ん?
三つとも罠にかかってるけど
なんだあれ?、、、、、人間??
俺はすぐに何がかかったのか確認しに行った。
そこにはこの森に入る前に見た、あのフードの集団が一人ずつ罠にかかっていた。それも丁寧に眠ってくれている。
「うわぁー、まじかぁ。せっかくの罠が、、、これ一つ作るのに一時間以上かかったのに。無駄になっただけかよぉ」
まじで辛い。じじいと会ってから今までなにかと失敗しかしてない気がする。これはまじで精神にくる。
ってそれより、あの人たち下ろしてあげなきゃなぁ。はぁめんどくさ。
俺は罠に近づいて一人ずつ下ろして行った。
最初に小さいやつ。次にでかいやつ。最後に普通のやつ。下ろしている時にフード取れてわかったけど、この人たち人間だったんだ。獣人族だと思ってたよ。あっこの人たちに人族の国まで連れて行ってもらおう!
よっしゃぁ!罠無駄じゃなかった!!
希望を見出している時だったが俺は最後のやつを下ろしている最中、何かモゾモゾ動いているのに気づいてしまった。
「なんだ?なんかいるのかな?」
なんの躊躇もせず動いてるところを弄って見た。
びっくりしたよね。まさか動いてるのってさっきの赤ん坊だもん。
「えっ、、、、なんで?」
ちょっと整理しよう。
俺は森に入る前にこの人たちを見た。てっきり獣人族だと思ってたらまさか人族だった。
そしてさっきの獣人族の赤ん坊がここにいる。
うん、誘拐だね。。。
さぁ、ここで俺がどうするかだよな。
この人たちが起きるの待って一緒に人族の国まで連れて行ってもらうのがいちばん効率がいいはず。
けど、、、
「だぁー、だっだ!」
あぁ、やっぱ可愛い。
泣きまくったのか目が少し赤くなってる赤ん坊が俺を見つけたからなのか、ムッチャ笑顔で見てくるんだよ。
「、、、、、両親とこ連れてくかぁ」
また誘拐犯扱いされるかもだけど、ここでほっとくのもなぁ。
まぁ最悪この子だけ置いて逃げればいいか。
さっこの子の可愛さに免じて
一つ人助けでもしますか。
拝啓 僕の友達たちへ
みんな久しぶり、ひょんなことからタイムトラベルして魔法をもらいました。
急なんだけど、僕、獣耳の赤ちゃん保護してしまいました。
一応両親の元に返そうと思ってるんだけど、万が一があるかもしれないのでここに書き綴っています。
まぁとにかく、僕はまだ元気です。
いつの日かまた学校で会いましょう
ps、はぁ、憂鬱だぁ、、、、
ある魔法時代で近代兵器を選んでしまったようです。 ちゃちゃ @tyatya0329
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