BiTTER

作者 片宮 椋楽

38

15人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

部室でのほんの一瞬の出来事。しかしそれを濃密なものにさせる彼女との回想シーン。
細かく描写された部室の光景が、容易に想像できる。どこかに必ず不具合の発生している部室の物の描写が、リアルで、特に好きだった。

ビターチョコレートの比喩が物語の主軸になっているように思う。
主人公は一歩大人になったのかもしれないし、違うかもしれない。
ビターチョコレートの苦味と恋の切なさを上手く使った短編小説。

ビターチョコレートを食べながら再読したいと思った。

★★★ Excellent!!!

作品紹介してくださいまして、ありがとうございます。素敵な作品に出会えました。

主人公と彼女の静かな関係は、序盤、もしかしたらそうなのかな?と思うほどに優しい時。ああいった関係も素敵だなと感じました。

過去を思い出して見つけたビターチョコレート。苦味と共に飲み込むそれは、切なくも成長を感じる一瞬。

同じ雨なのに、違って見えるのもまた成長かもしれませんね。
言葉ではなく、静かな時間に心動かされる作品でした。